長与駅

長与駅

長与駅（ながよえき）は、長崎県西彼杵郡長与町吉無田郷に所在する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線（長与支線）の駅です。駅名標のデザインには、近隣の中尾城公園がモチーフとして採用されています。

長崎本線の旧線、通称「長与支線」を経由する普通列車は、浦上駅や喜々津駅より先の区間において、時刻表や発車案内で「長与経由」と案内されます。これに対し、新しいルート（市布経由）を通る列車は「市布経由」と区別されています。

歴史

長与駅は、1897年（明治30年）7月22日に開業しました。以来、地域の鉄道輸送を担ってきましたが、時代と共にその役割も変化してきました。貨物取扱いは1962年（昭和37年）2月15日に、荷物扱いは1985年（昭和60年）3月14日にそれぞれ廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR九州の駅となりました。

駅設備の近代化も進められ、1997年（平成9年）2月12日には橋上駅舎化工事に着手し、同年11月1日に現在の駅舎が完成しました。ICカード「SUGOCA」の利用は2012年（平成24年）12月1日に開始されました。一方、窓口サービスについては見直しがあり、2022年（令和4年）3月11日をもって「みどりの窓口」の営業を終了しています。

駅構内には、2023年（令和5年）9月1日に「GOOOOOOOD STATION」という施設がオープンしました。これは地域の社会福祉法人「ながよ光彩会」が運営するカフェで、JR九州から業務委託を受け、駅舎の清掃や改札業務の補助なども行っています。

開業当初から長崎駅と当駅を結ぶ区間は存在しましたが、長崎本線が現在のルート（大村線・佐世保線経由）で全線開通するまでの約1年間は、当駅から約3km離れた舟津港（長与港）から早岐駅まで、大村湾連絡船が運航されていました。かつては長与港から長崎空港への高速船も運航されていましたが、2013年1月末に休止されています。現在、長崎空港へはバスで時津町まで移動し、時津港から別の高速船航路を利用するのが一般的です。

太平洋戦争終結時には、長崎市内が原爆の被害を受けたため、一時的に当駅で列車の運行が打ち切られましたが、後に長崎駅方面への運転が再開され、負傷者を輸送する救護列車も運行されました。歴史的には、駅名に旧字体の「長與」が使われていた時期もありました。

駅構造

地上に相対式ホーム2面2線が配置された駅で、線路の上空に駅舎が設けられた橋上駅舎です。現在の駅舎は1997年11月に竣工したもので、蝶が羽を広げて飛び立つ姿をイメージしてデザインされており、窓ガラスにはステンドグラスがはめ込まれています。

長崎本線旧線上では、2駅諫早寄りにある大草駅と同様に、列車交換が可能な数少ない駅の一つです。長崎駅や浦上駅と当駅の間で利用する乗客が多いため、長崎駅方面から来た一部の列車が当駅で折り返し運転を行っています。

駅業務はJR九州サービスサポートに業務委託されています。2022年3月以降は窓口販売が終了し、駅員の配置時間も正午までに短縮されています。前述の「GOOOOOOOD STATION」の開業に伴い、施設を運営する社会福祉法人が駅の清掃や集改札サポートなどの業務も一部担うことになりました。

エレベーターは、改札内と改札外に合計4基設置されており、バリアフリーに対応しています。1番のりばの長崎駅側の一部が欠き取られたようになっていますが、現在は使用されていません。列車到着時には、西浦上駅や浦上駅で聞かれる簡易タイプの自動放送が流れます。

ホームは、かつて多くの特急や急行列車が往来していた名残で全体的に長い造りですが、現在列車が停車する約4両分程度の部分のみ嵩上げされています。国鉄時代には、現在の2番のりばの反対側にもホームが存在していましたが、民営化と同時に廃止され、現在は埋め立てられています。現駅舎への建て替えと周辺の区画整理により、当時の面影はほとんど残っていません。

のりば

（JR九州駅情報一覧に基づく）

利用状況

長与駅の1日平均乗車人員は、2015年度が1,979人、2023年度が1,697人でした。

駅周辺

駅舎内、改札前には長与駅コミュニティホールがあり、地上駅時代の駅名標や絵画などが展示されています。

東口（公園口）方面
東口駅前には、当駅が原爆救援列車出発拠点となったことにちなみ、かつて長崎市内に展示されていた国鉄C57形蒸気機関車100号機の車輪が寄贈され展示されています。
吉無田公園
長与町役場
中尾城公園
長与町民文化ホール
陶芸の館

西口（大学口）方面
駅の出入口から直接歩道橋で道路の反対側へ渡ることができます。
長崎県道33号長崎多良見線（長崎県道45号東長崎長与線と重複）
長与町立長与第二中学校
長崎県立大学シーボルト校
長与ニュータウン
イオンタウン長与

バス路線

長与駅周辺からは、長崎バスと長崎県営バスの路線が利用できます。

長崎バス
長与駅バス停（東口ロータリー内）：満永発長与駅前行のみが停車します。
長与駅東口バス停（長与川にかかる橋を渡った場所）：長与ニュータウンと時津・上横尾方面を結ぶ路線が発着します（毎時2本程度）。
長与駅西口バス停（西口を出てすぐ）：
2番系統：長与ニュータウン、崎尾入口、青葉台団地方面と、昭和町、住吉、浦上駅前、長崎駅前、新地ターミナル方面を結びます（毎時2本程度）。
1番系統：琴の尾登口、本川内方面と、県立大学シーボルト校、道の尾、住吉、浦上駅前、長崎駅前、新地ターミナル方面を結びます（毎時1本程度）。
崎尾入口バス停（西口から少し長崎方面へ歩いた場所）：長与駅西口バス停と同程度の距離にあります。

長崎県営バス
長与駅西口バス停：
まなび野団地、県立大学シーボルト校を経由し、西山バイパスを通って大波止、長崎駅前へ向かう路線（平日のみ運行）。
* まなび野団地、県立大学シーボルト校を経由し、サニータウン、昭和町、西山台団地方面へ向かい、長崎東中学校・高校への通学便として利用可能な路線（平日・土曜日運行、一般利用も可能）。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）

■長崎本線（長与支線）

本川内駅 - 長与駅 - 高田駅

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