少弐高経

少弐高経：戦国時代の武将、少弐氏再興への道

少弐高経は、戦国時代の武将として知られています。少弐氏は一時断絶しますが、高経の弟である資元が再興を果たします。高経の生涯を詳細に見ていきましょう。

生涯

少弐高経は、少弐氏15代当主・少弐政資の子として生まれました。元服の際には、将軍・足利義高（義澄）から偏諱を受け、高経と名乗ります。早くから父に従い、各地を転戦しました。

延徳元年（1489年）には、周防大内氏の傀儡である九州探題・渋川刀祢王丸（渋川尹繁）を攻撃し、延徳3年（1491年）までに肥前国から追放しました。その後も大友政親の支援を受けながら、肥前東部や筑後国など北九州に勢力を拡大しました。明応3年（1494年）には肥前の大半を支配下に収めるなど、かつての少弐氏の版図をほぼ取り戻しました。

しかし、少弐氏の宿敵である大内義興は、高経の勢力拡大を危険視し、明応6年（1497年）1月に大軍を率いて少弐領に侵攻します。高経は大内氏の武将・杉興正には勝利しましたが、陶興房の軍との戦いで敗れ、勢福寺城にいた父の下に逃走します。しかし、そこも大内の大軍に攻められ、小城を経て晴気城にまで逃れましたが、大内軍の追撃は厳しく、4月に父・政資は多久城で自害しました。高経は城から逃亡し、再挙を図ったものの、大内の追討を受け、市の川で自害しました。兄・頼隆（頼高）も高経と行動を共にしていましたが、討死したと伝えられています。

辞世の歌は「風吹けば　落椎拾う　松の下　あらぬ方にて　身をば捨てけり」と伝えられています。

父・政資もこの時大内軍に討たれており、少弐氏はここで一旦断絶しますが、数年後、大友親治の後援の下で高経の弟・資元が元服し、少弐氏を再興します。

若宮神社

永正2年（1505年）には、高経を祀るために若宮神社（神埼市脊振町広滝）が創建されました。文禄3年（1594年）には、後陽成天皇から神階正一位を授けられました。寛永18年（1642年）に現住所（神埼市原の町）に遷座し、正一位若宮神社と称して今に至ります。

まとめ

少弐高経は、少弐氏の再興に尽力した武将であり、大内氏との戦いの中で壮絶な最期を遂げました。しかし、その功績は後世まで語り継がれ、若宮神社で祀られています。

参考資料

『歴代鎮西要略』
『萩藩閥閲録』
* 『北肥戦誌』

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