少数与党政権

少数与党政権とは

少数与党政権とは、議会において過半数の議席を有していない政党が、与党として政権を担当する政治体制のことです。これは、単独の政党だけでなく、複数の政党による連立政権であっても、その合計議席数が過半数に満たない場合を含みます。少数与党とも呼ばれます。

少数与党政権の特徴

与党が議会の過半数を握っていないため、法案や予算案を成立させるためには、議席数の多い野党の賛同や協力が不可欠となります。そのため、政策決定の過程で、野党との交渉や妥協が頻繁に行われることになります。

議院内閣制を採用している国においては、内閣不信任決議案が可決されるリスクが非常に高まります。野党が結束して内閣不信任案を提出した場合、与党単独では否決することが難しく、政権が短命に終わる可能性が高まります。

少数与党政権は、政権運営の安定性に欠けるという課題を抱えています。しかし、その一方で、多様な意見を反映した政策決定が行われやすいという側面もあります。

日本における少数与党政権の事例

日本においても、過去に少数与党政権が成立した事例がいくつか存在します。

第2次吉田内閣・第5次吉田内閣: 吉田茂内閣は、いずれも少数与党政権として運営されました。
第1次鳩山一郎内閣・第2次鳩山一郎内閣: 鳩山一郎内閣も、少数与党政権の事例として挙げられます。
羽田内閣: 羽田孜内閣は、短期間ながら少数与党政権として存在しました。

ドイツにおける少数与党政権の事例

ドイツにおいては、ショルツ内閣が少数与党政権として運営されています。

関連項目

ハング・パーラメント: どの政党も過半数を獲得できない状態。
コアビタシオン: 大統領と首相の所属政党が異なる状態。
分割政府: 大統領と議会の多数党が異なる状態。
* 大連立: 複数の主要政党が連立を組むこと。

少数与党政権は、政治状況によって様々な形態を取り、その運営は複雑さを増します。しかし、その存在は、民主主義における多様な意見の反映と、権力の牽制という重要な役割を担っていると言えるでしょう。

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