尚泰久王

尚 泰久王について

尚 泰久王（しょう たいきゅうおう、1415年 - 1460年）は、琉球王国の第一尚氏王統に属し、1454年から1460年まで国王を務めた重要な人物です。彼は第5代国王である尚金福王の弟として生まれ、王位を継承するまでには様々な道を歩んできました。

出自と経歴

尚泰久は尚巴志王の五男であり、幼少期より越来間切を与えられ越来王子という称号を持ちました。この間に、彼は金丸（後の尚円王）を見出し、尚思達王に王府官僚として推薦するなど、教育者としての一面をも持ち合わせていました。しかしながら、尚金福王の死後には後継を巡る政治的混乱が生じ、「志魯・布里の乱」へと発展。双方が共倒れとなったことで、金丸や阿麻和利らの支援を受け、琉球国王としての位置に立つことになりました。

業績

尚泰久は国王として多くの業績を残しました。その中で注目すべきは、永楽通宝をもとにした銅銭「大世通宝」の発行です。これは琉球における貨幣経済の発展に寄与したと評価されています。また、護佐丸と阿麻和利の乱を鎮圧するなど、国を守るための軍事的な努力も行っています。

さらに、彼の宗教的貢献も大きいものでした。京都南禅寺からやってきた僧侶、芥隠承琥に深く帰依し、琉球に臨済宗を初めて伝えました。彼は多くの仏寺を建立し、1458年には「万国津梁の鐘」を鋳造して首里城正殿に設置するなど、宗教と文化の振興にも力を注いでいます。

謎の多い人物像

最近の研究では、尚泰久に関する多くの疑問が提起されています。研究者の石井望は「おもろさうし」という文献を用いて、尚泰久像に新たな光を当てようとしています。「おもろさうし」の78番には「またちよもい」という記述があり、これは尚泰久として理解されています。一方、旧説である巻十五の「宇座のたちよもい」は誤解を生むものであると指摘されています。実際、尚泰久の行動は南海貿易に関わっており、国公としての役割を果たしていたことが記録からも明らかです。

系譜

尚泰久王の家族についても興味深い点があります。彼の父は尚巴志王で、母は眞鍋金であり、母方は伊覇按司一世の長女です。妃は護佐丸の娘であり、側室として宮里阿護母志良礼や越来村の世利休が存在しました。彼には5人の息子と2人の娘があり、それぞれが後代へと続く家系を形成しています。

• - 長男：安次富加那巴志 − 護佐丸の娘を母とし、安次富家、屋良門中の祖。
• - 次男：三津葉多武喜 − 母同様、護佐丸の娘から生まれ仲栄真家の祖。
• - 三男：尚徳 − 宮里阿護母志良礼を母に持ち、雍氏目取真家の祖。
• - 四男：八幡加那志 − 護佐丸の娘を母とし、習氏、大仲栄真門中の祖。
• - 五男：尚武江洲按司 − 後裔は武氏嘉陽家に連なる。
• - 長女：百度踏揚 − 護佐丸の娘、阿麻和利の妻として鬼大城に嫁す。
• - 次女：尚按司加那志 − 林鳳及び泊里主宗重に嫁ぐ。

参考文献と関連項目

このように、尚泰久王は多面的な業績を持った人物であり、今後の研究によってさらなる真実が明らかになることが期待されています。彼の国王としての在位期間とその後の影響は、琉球王国の発展に大きな影響を与えたのです。

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