尾鷲港

尾鷲港:三重県東紀州の要衝



尾鷲港は、三重県尾鷲市に位置する重要港湾です。リアス式海岸が続く紀伊半島の東部にあり、古くから天然の良港として栄え、漁業水運の中心地として発展してきました。

歴史と役割



明治時代以降、尾鷲は東紀州地域の中核都市として発展し、1921年大正10年)からは本格的な港湾整備が始まりました。1967年(昭和42年)には重要港湾に指定され、遠洋漁業の拠点として、また地場産業の物資輸送の中枢を担うようになりました。

特に、1966年(昭和41年)の開港指定後は、中部電力尾鷲三田火力発電所への原油輸入拠点としての役割が大きくなりました。しかし、貿易船の出入港数や輸出入額が条件を満たさなくなったため、2017年(平成29年)に開港指定は取り消されました。

近年では、2013年(平成25年)にはハワイ沖で漁獲された冷凍マグロが初めて水揚げされるなど、遠洋漁業の面でも重要な役割を担っています。また、三重県の「三重サンベルトゾーン構想」においても重要な拠点として位置付けられています。

港湾内には、第4管区海上保安本部尾鷲海上保安部が設置され、沿岸警備や海洋情報の収集、更には尾鷲港における日出没や潮汐の観測も行っています。

イベント



尾鷲港周辺では、地域を盛り上げる様々なイベントが開催されています。

尾鷲イタダキ市: 毎月第1土曜日に開催される地域イベントです。
おわせ港まつり: 毎年8月初旬に開催され、3000発の花火が打ち上げられる盛大な祭りです。

交通



かつては、尾鷲港と市内須賀利港を結ぶ定期航路(須賀利巡航船)が運行されていましたが、2012年(平成24年)9月に廃止されました。現在は、尾鷲市ふれあいバスと三重交通路線バスが同区間を運行しています。

関連施設・道路



尾鷲港周辺には、港湾機能を支える様々な施設や道路が整備されています。

三重県道155号海山尾鷲港線
三重県道203号尾鷲港尾鷲停車場線

近隣の港湾



尾鷲港は、近隣の主要港湾と連携しながら、地域経済の発展に貢献しています。

四日市港
津松阪港
* 鳥羽港

まとめ



尾鷲港は、歴史と自然に恵まれた重要な港湾です。遠洋漁業、発電所への燃料供給、地域経済の活性化など、多様な役割を担い、三重県東紀州地域の未来を支える重要な拠点となっています。今後も、変化する社会情勢に対応しながら、その役割を担っていくことが期待されます。

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