津松阪港

津松阪港

津松阪港は、三重県中勢地区に位置する重要な港湾です。県庁所在地の津市にあった津港と、交通の要衝である松阪市にあった松阪港を統合して1971年に誕生しました。三重県内では四日市港に次ぐ規模を誇ります。

歴史

津港の起源

津港の起源は古く、中国の歴史書にも記載された「安濃津」に遡ります。安濃津は「日本三津」の一つとして、博多津や坊津と並び称されるほど重要な港でした。伊勢平野の中央に位置し、伊勢神宮への参拝や内陸部への物資輸送の拠点として栄えました。

しかし、1498年の明応地震による津波で壊滅的な被害を受け、一時衰退します。江戸時代に入り、津藩主の藤堂氏が岩田川河口に港を築き、贄崎が港町として再び繁栄しました。

松阪港の発展

一方、松阪港は、蒲生氏郷が松坂城の城下町を整備した頃から、物資の積み出し港として発展しました。伊勢商人の角屋氏が拠点を構え、朱印船貿易を通じて海外との交易も行いました。

江戸時代には、紀州藩松坂領内の米の集散地として機能し、参勤交代の際の寄港地ともなりました。明治時代には鉄道の開通で一時衰退しましたが、大正時代に木材輸送のために港が整備され、再び活気を取り戻しました。

2港の統合と現在

1954年の台風や1959年の伊勢湾台風で甚大な被害を受けた津港と松阪港は、復旧事業を経て、1971年に統合され津松阪港として新たなスタートを切りました。

近年は、中部国際空港の開港に伴い、津なぎさまちが整備され、空港へのアクセス港としての役割も担っています。また、沿岸にはジャパン マリンユナイテッド津事業所やセントラル硝子松阪工場などの工場が立ち並び、中京工業地帯の一翼を担う工業港としての性格も有しています。

港区

津松阪港は、津港区と松阪港区の2つの港区、および河芸地区、江戸橋地区など14の港湾地区から構成されています。各地区はそれぞれ異なる特色を持ち、工業、レジャー、漁業など多様な活動が行われています。

観光

津松阪港周辺には、海水浴場、マリーナ、ヨットハーバー、キャンプ場など、マリンスポーツを楽しめる施設が充実しています。特に津港区は伊勢の海県立自然公園に指定されており、美しい自然を満喫できます。

阿漕浦や香良洲海岸など、歴史や自然に触れられるスポットも点在し、多くの観光客が訪れます。

定期旅客航路

津なぎさまちと中部国際空港を結ぶ津エアポートラインが運航されています。かつては松阪と東京を結ぶ長距離フェリーや、松阪と中部国際空港を結ぶ航路も存在しましたが、現在は廃止されています。

津松阪港は、歴史と自然、産業が調和した魅力的な港湾です。今後も、地域経済の発展と人々の生活を支える重要な役割を担っていくことが期待されます。

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