山ノ内 (鎌倉市)

鎌倉市山ノ内：古刹と自然が織りなす歴史の地

山ノ内（やまのうち）は、神奈川県鎌倉市に位置する、住居表示未実施の大字です。一般には「山之内」とも表記され、北鎌倉駅があることから「北鎌倉」という通称で広く知られています。この地は、建長寺、円覚寺、東慶寺、浄智寺、明月院など、数々の著名な寺院が点在する観光地として有名です。

地理

山ノ内は、鎌倉地域の北西に隣接し、大船地域に区分されます。しかし、巨福呂坂や亀ヶ谷坂といった切通しを通じて、鎌倉地域と密接に繋がっています。地形は北西の大船方面に開けた谷状で、鎌倉街道と横須賀線が並行して走っています。谷戸には、寺院がその全体を占めるように建てられている場所が多く見られます。北鎌倉駅の開設後、別荘や住宅が増加しましたが、地区の西側を除いては開発が控えられており、特に南部や北東部の丘陵地帯には豊かな自然が残されています。

山岳

地区内には、六国見山がそびえ立っています。この山は、かつて武蔵、相模、上総、下総、安房、伊豆の六国が見えたことに由来すると言われています。

地価

2023年1月1日の公示地価によると、山ノ内字東瓜ケ谷の住宅地は1平方メートルあたり13万3000円となっています。

歴史

山ノ内は、古くは山内庄の一部でした。この地を領した山内氏が、地名の由来とされています。鎌倉時代には、有力武家の屋敷や建長寺、円覚寺が建立され、この地は繁栄しました。室町時代には、関東管領の上杉氏（山内上杉家）が居を構え、「管領屋敷」という地名が今も残っています。明治時代には、鎌倉郡小坂村（後の大船町）の一部となり、1948年に鎌倉市に編入されました。

史跡

山ノ内には、数多くの歴史的建造物が残されています。

建長寺：鎌倉五山第一位に数えられる臨済宗の寺院。
円覚寺：鎌倉五山第二位の禅寺。
東慶寺：縁切寺法で知られる尼寺。
浄智寺：鎌倉五山第四位に列する寺院。
明月院：別名「紫陽花寺」として有名。
長寿寺：足利基氏によって創建された寺院。
光照寺：別名「石楠花寺」として知られる。
円応寺：閻魔様を祀る寺院。
葛原岡神社：梶原との境界に位置する神社。
八雲神社：市内にある四つの八雲神社のうちの一つ。

また、東瓜ヶ谷には、やぐらと呼ばれる横穴墓が多数残されています。

人口と世帯数

2024年6月1日現在、山ノ内の世帯数と人口は以下の通りです（鎌倉市発表）。詳細な数値は省略します。

学区

山ノ内の児童・生徒が通う小・中学校の学区は、2017年7月時点で以下の通りです。具体的な学校名については省略します。

事業所

2021年の経済センサス調査によると、山ノ内の事業所数と従業員数は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

交通

鉄道：JR横須賀線が通り、北鎌倉駅が利用できます。
バス：江ノ電バス横浜が運行しています。
道路：神奈川県道21号横浜鎌倉線（鎌倉街道）が通っています。この道路は、道幅が狭く、横須賀線との踏切があるため、渋滞が頻繁に発生します。また、巨福呂坂や亀ヶ谷坂といった峠道も存在します。

施設

山ノ内には、以下の教育機関や文化施設があります。

教育機関：鎌倉女子大学（山ノ内学舎）、鎌倉学園中学校・高等学校、北鎌倉女子学園中学校・高等学校
美術館：葉祥明美術館、雪堂美術館、古陶美術館
その他：松ヶ岡文庫

北鎌倉を舞台とした作品

サザンオールスターズの楽曲「北鎌倉の思い出」は、この地を題材としています。

山ノ内は、歴史的な寺院と豊かな自然が調和した、魅力あふれる場所です。古都鎌倉を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

参考文献

河井恒久 等編 編「巻之三 山内」『新編鎌倉志』 第5冊、大日本地誌大系刊行会〈大日本地誌大系〉、1915年、62頁。NDLJP:952770/46。 

関連項目

ビブリア古書堂の事件手帖
麦秋
山内 (曖昧さ回避)

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