山下町 (横浜市)

横浜市中区山下町の概要

山下町は、神奈川県横浜市中区に位置する、丁目のない単独町名です。住居表示は未実施で、その歴史は外国人居留地として始まったことに由来します。関内地区の南東部に位置し、みなとみらい線の元町・中華街駅が利用できます。

地理

山下町は、関内地区の南東側に広がっています。この地域は、かつて外国人居留地であった名残で、独特の地番が今も住所として使われています。特に、元町・中華街駅周辺は、多くの人々で賑わうエリアです。

歴史

開港以前、この地は武蔵国久良岐郡の横浜村と太田屋新田の一部でした。海岸沿いの部分は横浜村の洲干島、斜めの区画を持つ中華街周辺は横浜新田、そして中華街と横浜公園の間は太田屋新田に属していました。1859年の横浜開港に伴い、外国人居留地として整備され、後に「山下」と呼ばれるようになりました。

地名の由来

「山下」という地名は、1867年に追加された外国人居留地である「山手」と対になる形で名付けられました。開港当初から外国人との交流が盛んだったこの地域は、異文化が混ざり合う独特の雰囲気を醸し出しています。

沿革

1858年：日米修好通商条約により横浜が開港場に指定され、外国人居留地が設けられました。
1859年：横浜港が開港し、日本人居留地は「横浜町」と改称されました。
1873年：神奈川県が県下を20区に分けましたが、外国人居留地は区には含まれませんでした。
1879年：山下居留地に30の町が新設され、外国人居留地の管理が神奈川県から横浜区に移管されました。
1883年：領事の許可があれば日本人の居住も黙認されるようになり、海側を「下町」、反対側を「上町」と呼ぶようになりました。
1889年：横浜市制施行により、山下・山手の両外国人居留地も市域に編入されました。
1899年：条約改正により外国人居留地が廃止され、旧居留地30町が統合され山下町が新設されました。
1927年：区制施行により、中区が発足しました。
1930年：関東大震災の復興事業として、山下公園が開園しました。
1961年：横浜開港100周年を記念してマリンタワーが完成、氷川丸が山下公園に係留されました。
1963年：山下埠頭の埋立造成が完了しました。
2004年：みなとみらい線が開通しました。
2009年：マリンタワーが再オープンしました。
2010年：神奈川芸術劇場とNHK横浜放送会館の複合施設が完成しました。
2022年：山下町が暴力団排除特別強化地域に指定されました。

現在の山下町

2024年4月30日現在、山下町の人口は増加傾向にあり、多くの事業所が活動しています。

再開発計画

山下町では、「山下公園通り地区」と「山下町本町通り地区」で再開発が進んでいます。

山下公園通り地区：歴史的建造物を保全しつつ、魅力的な都市景観を創造することを目指しています。
山下町本町通り地区：神奈川芸術劇場とNHK横浜放送会館が先行して完成しており、ホテルなどの複合開発が進められています。

主な施設

山下町には、以下のような多くの施設があります。

横浜高速鉄道みなとみらい線 元町・中華街駅
山下公園
氷川丸
山下埠頭
横浜マリンタワー
横浜中華街
関帝廟
ホテルニューグランド
ローズホテル横浜
ダイワロイネットホテル横浜公園
ホテルコンチネンタル横浜
横浜人形の家
バーニーズ・ニューヨーク
神奈川県立県民ホール・神奈川芸術劇場
NHK横浜放送会館
シルクセンター、シルク博物館
地方合同庁舎
地域医療機能推進機構横浜中央病院
横浜市研修センター
横浜市中消防署山下町出張所

交通

鉄道：横浜高速鉄道みなとみらい線 - 元町・中華街駅
道路：山下公園通り、本町通り、大桟橋通り、水町通り、シルク通り、中華街通り、南門通り

その他

郵便番号：231-0023

山下町は、横浜の歴史と文化が色濃く残る地域であり、多くの観光客や地元住民に愛されています。

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