山口労災病院

山口労災病院の概要

山口労災病院（やまぐちろうさいびょういん）は、山口県山陽小野田市に所在する医療機関です。独立行政法人労働者健康安全機構によって設置・運営されており、地域における勤労者医療や救急医療、災害医療、さらには高度専門医療まで、幅広い分野で中心的な役割を担っています。

沿革

当院は、全国で8番目の労災病院として、1955年（昭和30年）3月15日にその歴史をスタートさせました。開設当初は内科、外科、整形外科の3つの診療科と50床の病床数を有していました。

設立当初は労災協会が運営していましたが、1957年（昭和32年）7月1日には労働福祉事業団へと運営主体が移管されました。その後、医療機能の拡充に伴い、1982年（昭和57年）5月25日には総合病院としての名称使用が認められています。

救急医療体制も強化され、1992年（平成4年）2月21日には救急告示病院として指定を受けました。さらに、災害発生時の医療支援体制の要として、1998年（平成10年）4月1日には災害拠点病院に指定されています。医療従事者の育成にも力を入れており、2003年（平成15年）4月1日には臨床研修指定病院の指定を受けました。

専門医療分野では、2004年（平成16年）9月1日にはアスベスト疾患センターが開設され、特定の疾病に対する専門的な診断・治療体制が整備されました。また、働く親を支援するため、2009年（平成21年）8月1日には院内病児保育室「きららキッズ」が開設されています（2017年11月1日には院内保育所として改めて開設）。災害発生時に迅速な医療支援チームを派遣するため、2010年（平成22年）11月1日には山口県災害派遣医療チーム「DMAT」の構成病院として登録・指定されました。

医療の質の向上と効率化を目指し、2013年（平成25年）8月1日には電子カルテシステムが導入されています。患者さん同士の交流や情報交換を支援するため、2004年（平成16年）3月15日には糖尿病患者会「ろうさい桜会」、2014年（平成26年）3月15日にはがん患者会「山口労災病院オレンジ会」がそれぞれ創設されました。

運営法人の名称変更も複数回行われており、2004年（平成16年）4月1日には特殊法人労働福祉事業団から独立行政法人労働者健康福祉機構へ、そして2016年（平成28年）4月1日には独立行政法人労働者健康福祉機構から現在の独立行政法人労働者健康安全機構へと変更されています。専門性の高い医療提供体制をさらに充実させるため、2018年（平成30年）10月1日には脊椎・脊髄病センターが開設されました。

診療体制と専門機能

山口労災病院では、内科系、外科系を中心に非常に多岐にわたる診療科を設けています。具体的には、糖尿病内分泌内科、血液内科、呼吸器内科、膠原病・リウマチ内科、消化器内科、循環器内科、精神科、小児科、外科・消化器外科、整形外科、形成外科、脊椎・脊髄外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、健康診断部など、幅広い専門分野の医師が診療にあたっています。

また、特定の疾患や患者層に特化した専門的な診療センターを複数設置しています。勤労者の健康支援を目的とした勤労者リハビリテーションセンター、勤労者脳・循環器センター、勤労者メンタルヘルスセンターをはじめ、アスベスト疾患センター、血管治療センター、脊椎・脊髄病センターなどがあり、集学的・専門的な医療を提供しています。

患者さんやご家族が安心して医療を受けられるよう、院内には連携室や相談室も設けられています。地域の他の医療機関との連携を円滑に行う地域医療連携室、病気に関する不安や生活上の問題について相談できる医療福祉相談室、病気治療と仕事の両立をサポートする治療就労両立支援部などが設置されています。

医療機関としての認定

当院は、地域の中核的な医療機関として様々な認定を受けています。救急医療体制の整った救急告示病院であり、災害発生時には医療チームを派遣する山口県DMAT指定病院でもあります。医療の質の向上と安全管理に積極的に取り組んでいる証として、公益財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価の認定を受けているほか、各種法令に基づく指定や、各学会の認定施設としての機能も有しています。

利用案内

山口労災病院へのアクセスは、公共交通機関が利用可能です。JR小野田線「南中川駅」からは徒歩約7分です。バスを利用する場合、JR山陽本線・小野田線「小野田駅」またはJR宇部線「宇部新川駅」から船木鉄道バスに乗車し、「労災病院（正面玄関前）」停留所で降りるのが便利です。

院内には、山口銀行のATMや売店「オアシス山口労災病院売店」が設置されており、利用者の利便性にも配慮されています。

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