山名是豊

山名是豊（やまな これとよ）は、室町時代の武将であり、守護大名として備後・安芸・山城の守護を歴任しました。山名持豊（宗全）の次男として生まれ、子に頼忠がいます。

父・山名宗全とは不仲であり、兄・教豊が父と対立して播磨へ下向した際に家督を譲られることを望みましたが、容れられませんでした。寛正3年（1462年）には細川勝元から備後・安芸守護職に任じられ、河内嶽山城で畠山義就と戦いました（嶽山城の戦い）。さらに寛正5年（1464年）には山城守護職にも任命されたことが、応仁の乱で東軍に味方する要因となりました。是豊は細川勝元方につき、父・宗全が率いる西軍と激しく争いました。

猛将として知られる吉川経基や毛利豊元を従え上洛を果たし、応仁2年（1468年）には備後へ戻り、西軍勢力と交戦しました。文明元年（1469年）に再び上洛し、摂津で大内政弘軍を迎え撃って破り、西軍の拠点の一つであった船岡山を攻撃して奪取しました。摂津神呪寺や山城西岡・勝竜寺城でも西軍と戦うなど、在京中の戦いにおいては目覚ましい活躍を見せました。しかし、文明2年（1470年）に西軍が備後に侵入したため、同年12月23日に再び備後へ戻り西軍と戦うことになります。

文明7年（1475年）には、東軍である小早川煕平が籠る高山城への援護に向かいましたが、遅参し、備後に到着した時には既に東西両軍が和睦した後であり、失態を演じて人望を失い、備後を追放されるという不遇をかこちました。以後の消息は不明であり、甥とも弟ともされる山名政豊が備後・安芸・山城守護となりました。

備後山名氏は、政豊の子である山名俊豊が継承しましたが、俊豊は父と対立し、度重なる内紛が起こりました。傘下の国人領主は次々と山名氏から離反し、備後における山名氏の勢力は急速に衰退しました。戦国時代、山名理興に滅ぼされたとされる山名忠勝（氏政）は備後山名氏の末裔とされていますが、その系譜は明らかではありません。

偏諱を受けた人物

毛利豊元 - 初め是豊の家臣でしたが、のちに応仁の乱の最中に西軍・大内政弘の配下に降って山名政豊を助け、是豊と対立しました。

参考文献

広島県編『広島県史 中世 通史II』広島県、1984年。
川岡勉『山名宗全』吉川弘文館（人物叢書）、2009年。
渡邊大門『中世後期山名氏の研究』日本史史料研究会、2010年。

関連項目

* 山崎城 (山城国)

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