山岡正業

山岡正業（やまおか まさなり）は、生没年不詳の江戸時代後期の旗本です。通称は市郎右衛門と称しました。

出自と家系

山岡氏は、三河国を本拠とする藤原氏の支流を自称する家柄です。その家祖である山岡正利（通称：市平）は、徳川綱吉が延宝8年（1680年）に将軍に就任した際、御家人として取り立てられました。山岡家は当初、百俵二人扶持という禄高で、小十人という役職を務めていました。正業は、山岡正恒（通称：市太郎、藤十郎）の子として生まれました。

家族と子孫

正業は、高橋包承（通称：儀左衛門）の娘である文子を妻としました。しかし、正業は早世し、家督は長男の正視（通称：紀一郎）が継承しました。次男の謙三郎は、高橋家に養子に出て高橋泥舟と名乗りました。安政2年（1855年）に正視が亡くなると、その弟である信吉が家督を相続しました。

その後、信吉の跡は、正視の門人であった小野高歩（通称：鉄太郎）が継ぎました。小野高歩は、正業の娘である英子（通称：ふさこ、信吉の妹）と結婚し、山岡家の婿養子となりました。この小野高歩こそ、後に幕末の動乱期に活躍した山岡鉄舟その人です。

山岡家の系譜

山岡正利（市平）
　│
山岡正恒（市太郎、藤十郎）
　│
山岡正業（市郎右衛門）
　├── 山岡正視（紀一郎）
　├── 高橋謙三郎（高橋泥舟）
　└── 山岡信吉
　　　　　└──山岡鉄舟（小野高歩）

参考文献

続群書類従完成会 編『新訂寛政重修諸家譜』 22巻、八木書店、1966年。
熊井保・大賀妙子 編『江戸幕臣人名事典』 4巻、小西四郎監修、新人物往来社、1990年11月。
小川恭一編著『寛政譜以降旗本家百科事典』 5巻、東洋書林、1998年5月。
歴史群像編集部 編『全国版幕末維新人物事典』学研パブリッシング、2010年3月3日。

もう一度検索