山崎直胤

山崎直胤

山崎直胤（やまさき なおたね / やまざき なおたね、1852年7月13日 - 1918年2月4日）は、明治時代に活躍した官僚です。内務省の初代県治局長を務め、その後、山梨県知事、三重県知事を歴任しました。さらに宮内省に移り、調度局長を務めた後、錦鶏間祗候に列せられました。

生い立ちと初期のキャリア

山崎直胤は、豊前国下毛郡諫早村（現在の大分県中津市三光諫早）で、山崎直高の長男として生まれました。幼名は賢吾といいました。明治3年（1870年）に新政府に出仕し、民部省十四等出仕となります。その後、新設された工部省に移り、明治4年（1871年）には造船中師に任官しました。

欧州への派遣と帰国後の活躍

明治5年（1872年）には、産業技術調査のためフランスへ派遣されました。ウィーン万国博覧会事務官も務め、1875年1月に帰国しました。帰国後は、太政官少書記官、同大書記官などを歴任しました。1882年2月には、伊藤博文一行に加わり、各国憲法の視察のため再び欧州へ派遣され、1883年8月に帰国しました。

県治局長、県知事としての活動

1885年6月には、内務省初代県治局長に就任しました。その後、1887年3月には山梨県知事に転任し、県民の負担軽減に配慮した予算編成を行いました。1888年6月には三重県知事に転任し、前年度と同規模の予算編成を行いました。1889年12月、知事を休職しました。

宮内省での活動と晩年

1890年2月に宮内省に転じ、宮内書記官兼調査課長、兼山階宮別当に就任しました。その後、調度局長などを務め、1897年9月に退官し、錦鶏間祗候となりました。

年譜

1884年（明治17年）1月23日 - 内局第二課兼務申付
1887年（明治20年）3月8日 - 山梨県知事 任官
1888年（明治21年）6月29日 - 三重県知事 任官
1889年（明治22年）12月26日 - 三重県知事 非職
1890年（明治23年） 宮内書記官 任官、山階宮別当 兼任
1891年（明治24年）2月7日 - 帝室会計審査官（奏任官一等） 兼任
1891年（明治24年）10月31日 - 内事課長股野琢不在中代理
1893年（明治26年）1月9日 - 内匠頭堤正誼不在中代理
1893年（明治26年）5月6日 - 内匠頭堤正誼不在中代理
1895年（明治28年）1月9日 - 内匠頭堤正誼不在中代理
1895年（明治28年）帝室会計審査官調査課長 兼任
1897年（明治30年）2月1日 - 内事課長股野琢不在中代理
1897年（明治30年）4月26日 - 内事課長股野琢不在中代理
1897年（明治30年）5月29日 - 内匠頭堤正誼不在中代理
1897年（明治30年）9月16日 - 錦鶏間祗候 仰付、調度局長 兼 帝室会計審査官調査課長 依願免官

栄典

1886年（明治19年）11月16日 - 正五位
1890年（明治23年）2月20日 - 従四位
1895年（明治28年）3月2日 - 正四位
1897年（明治30年）9月16日 - 従三位

勲章

1882年（明治15年）3月11日 - 勲五等双光旭日章
1887年（明治20年）5月27日 - 勲四等旭日小綬章
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1890年（明治23年）6月30日 - 勲三等瑞宝章
1918年（大正7年）2月4日 - 勲二等瑞宝章

外国勲章

1883年（明治16年）8月30日 - ロシア帝国：神聖アンナ第二等勲章

親族

父：山崎直高
子：山崎直三（文学者）

著作

『通俗経済小話』 1897年
『比国憲法釈義』 1886年 内務省総務局

訳著

『近代欧洲史観 2』 セーニョボス・シャルル（著）
『仏国道路記事』 墺国博覧会事務局
『澳国水陸通路記事鉄道説』 墺国博覧会事務局（編） 績文社
『仏国民法註釈 第1冊』 谷森真男（校） 1875年 博聞社
『佛國 民法註釈 第四冊 財産篇 第二篇 財産』 1877年
『租税説』 ア・チェル（著） 1877年 坂上半七
『欧洲現代政治史』 山崎直三（共訳） 1911年 大日本文明協会

編訳

『仏国政法掲要』 1878年 博聞社
『佛國 政法掲要』（第一巻～第三巻） 1878年 博聞社

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
富田仁編『海を越えた日本人名事典』新訂増補、日外アソシエーツ、2005年。
内閣「山崎直胤叙勲ノ件」大正7年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-018-00・勲00523100

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