山本ひろ子

山本ひろ子の業績と背景

1. 概要

山本ひろ子（やまもと ひろこ、生年1946年）は、日本の神話学を専門とする学者であり、和光大学の名誉教授です。中世日本の神々や宗教文化に関する研究を行い、独自の視点から多数の著作を発表しています。彼女の業績は、神話学の分野での重要な参考資料となっています。

2. 来歴

山本ひろ子は千葉県市川市で生まれ、早稲田大学第一文学部史学科に在籍していましたが、中退しました。1970年、兵藤裕己や川田順造らの寺小屋教室に参加し、ここで中世日本の神々についての研究を開始しました。その後、フェリス女学院大学の非常勤講師を経て、和光大学表現学部の教授として長年にわたり教育に携わりました。2017年3月には、教授職を退任しました。

3. 著作と研究テーマ

山本の著作には彼女の研究の核心を表す作品が多く含まれています。

• - 『大荒神頌』（岩波書店、1993年）：日本の神話の一端を紹介し、特定の神々に焦点を当てた一書です。
• - 『変成譜 中世神仏習合の世界』（春秋社、1993年、新版2000年、講談社学術文庫2018年）：中世の神々と仏教の習合について考察し、その文化的影響を探ります。
• - 『異神 中世日本の秘教的世界』（平凡社、1998年、ちくま学芸文庫2003年、改訂新版2024年）：秘教的な視点から中世の神々を分析しています。
• - 『中世神話』（岩波新書、1998年）：中世日本の神話を体系的にまとめ、学術的な解説を加えています。
• - 『摩多羅神　われらいかなる縁ありて』（春秋社、2022年）：特定の神に焦点を当てて、その背景や文化を探求しています。

また、編著としても多くの作品を持ち、以下のような書籍が挙げられます。

• - 『祭礼 神と人との饗宴』（平凡社、2006年）：祭りを通じて神と人との関係を描き出す一冊。
• - 『島の想像力 神話・民俗・社会』（岩田書院、2010年、共編）：民俗学の視点から文化の多様性を考察しています。
• - 『民俗と仮面の深層へ 乾武俊選集』（国書刊行会、2015年、共編）：仮面文化を中心に民俗学の救いを考える一冊。
• - 『諏訪学』（国書刊行会、2018年）：地域に根ざした神話や伝説を綴っています。
• - 『神楽の中世　宗教芸能の地平へ』（三弥井書店、2021年、共編）：宗教芸能とその歴史的背景についての研究。

4. まとめ

山本ひろ子の研究は中世日本の宗教や神話を理解する上で欠かせないものであり、彼女の著作は神話学だけでなく、民俗学や宗教研究にも深い影響を与えています。彼女の豊かな知識と洞察が、将来の研究者にとっての指針となることは間違いありません。

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