山本正司

山本正司の生涯

山本正司は、1936年11月14日に愛媛県松山市で生まれました。父が地方[[競馬]]の馬主兼騎手であったことから、幼い頃から競馬に親しみ、高校を中退後、騎手の道を目指します。1952年、阪神競馬場で武田文吾調教師と出会い、その厩舎に騎手候補として入門しました。1953年には馬事公苑長期騎手課程で学び、1956年に騎手としてデビューを果たしました。

騎手時代

当初は武田厩舎に所属し、栗田勝騎手の2番手騎手として騎乗していました。しかし、1960年に高橋直厩舎、1963年には松田由太郎厩舎、1969年には中村武志厩舎へと移籍を重ねます。騎手時代の代表的な騎乗馬は、1965年の東京優駿（日本ダービー）を制したキーストンです。キーストンとのコンビは、多くの競馬ファンの記憶に残っています。

1971年、親友である丸目敏栄騎手が落馬事故で重傷を負ったことをきっかけに、調教師への転身を考えるようになり、1972年に調教師試験に合格。1973年に騎手を引退しました。騎手としての通算成績は、1952戦212勝、うち重賞10勝、八大競走1勝という記録を残しています。

主な騎乗馬は以下の通りです。

キーストン（1965年弥生賞、東京優駿、京都杯、1966年金杯）
エプソム（1967年中京記念、スワンステークス）
ダイイチオー（1969年スワンステークス）
タニノソブリン（1969年函館3歳ステークス）
リキリュウシンゲキ（1969年阪神牝馬特別）
フアストバンブー（1971年スワンステークス）

調教師時代

1975年に厩舎を開業すると、その年にオーラミハルでCBC賞を制し、重賞初制覇を飾りました。1978年にはオヤマテスコで桜花賞を、1984年にはハッピープログレスで安田記念を制覇するなど、数々の名馬を育て上げました。1986年には松永幹夫騎手を厩舎所属とし、以後、松永騎手とのコンビで多くのレースを勝利しました。

特に、2005年にはヘヴンリーロマンスで天皇賞・秋を制覇し、ハッピープログレス以来21年ぶりのJRAGI勝利を達成しました。2007年2月に調教師を勇退し、愛弟子の松永幹夫調教師が厩舎を引き継ぎました。調教師としての通算成績は、5579戦555勝、うち重賞32勝、G1級8勝という記録です。

主な管理馬は以下の通りです。

オーラミハル（1975年CBC賞）
シングル（1976年アラブ大賞典（春））
オヤマテスコ（1978年桜花賞）
ジョーアルバトロス（1980年中京障害ステークス、阪神障害ステークス（秋））
ハッピープログレス（1982年・1984年CBC賞、1983年阪急杯、1984年スプリンターズステークス、京王杯スプリングカップ、安田記念）
マイシンザン（1993年NHK杯、1995年朝日チャレンジカップ）
ボディーガード（1993年デイリー杯3歳ステークス、1995年阪急杯）
ゼネラリスト（1996年シンザン記念、1997年金鯱賞）
トキオワイルド（1999年京都ジャンプステークス）
レギュラーメンバー（2000年ダービーグランプリ、川崎記念、JBCクラシック）
メガスターダム（2001年ラジオたんぱ杯2歳ステークス、2005年中京記念）
カネツフルーヴ（2002年帝王賞、2003年川崎記念、ダイオライト記念、オグリキャップ記念）
ブレイクタイム（2002年・2003年京成杯オータムハンデキャップ）
ヘヴンリーロマンス（2004年阪神牝馬ステークス、2005年札幌記念、天皇賞・秋）

人物像とエピソード

山本正司は、親友であった杉本清（元関西テレビアナウンサー）と親交が深く、キーストンでダービーを制した際に、杉本に「どちらが先に結婚するか賭けよう」と持ちかけたエピソードが残っています。この時、山本は既に結婚が決まっており、杉本が賭けに負けたため、結婚式の司会を務めたことがきっかけで、親交を深めました。また、後年、松永幹夫が結婚する際には、杉本夫妻が媒酌人を務めました。

山本正司は、2016年1[[2月24日]]に80歳で亡くなりました。騎手、調教師として競馬界に多大な功績を残した名伯楽でした。

主な厩舎所属者

松若勲（1976年-1977年 騎手）
松永幹夫（1986年-2006年 騎手）

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