山本英明

山本英明：昭和から平成へ、時代を彩った脚本家

山本英明（1935年9月2日 - 1991年4月2日）は、日本の脚本家として、昭和から平成にかけて数多くの作品を生み出した巨匠です。1959年、早稲田大学卒業と同時に東映に入社。当初は制作部に所属していましたが、持ち前の才能を開花させ、1961年公開の映画『二人だけの太陽』で脚本家デビューを果たします。

東映作品を基盤に活躍の場を広げ、映画、テレビ時代劇と幅広いジャンルで手腕を発揮しました。ヤクザ映画から時代劇、そしてSF作品まで、その作風は多様性に富み、時代劇の骨太な人間ドラマから、宇宙戦艦ヤマトシリーズの壮大なスケール感まで、彼が手掛けた作品群は日本の映像史に深く刻まれています。

映画作品：ジャンルを超えた多彩な脚本

山本英明の脚本家としての才能は、多様なジャンルを縦横無尽に駆け巡る点に顕著に表れています。初期の作品では『二人だけの太陽』や『流れ物仁義』といったヤクザ映画を手掛け、その後の『昭和残侠伝シリーズ』や『不良番長シリーズ』、『極悪坊主シリーズ』といった作品群で、東映ヤクザ映画黄金期を支えました。

一方で、時代劇やコメディ、SF作品にも果敢に挑戦しました。『日本ダービー 勝負』や『きかんしゃやえもん D51の大冒険』といった作品では、その脚本力によって様々な観客層を魅了しています。

特に注目すべきは『宇宙戦艦ヤマト』シリーズへの参加です。『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』、『ヤマトよ永遠に』、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』といった主要作品に加え、『オーディーン 光子帆船スターライト』では設定ブレーンとして深く関与しました。その壮大なスケールと緻密なストーリー展開は、シリーズ全体の成功に大きく貢献しています。その他にも、『極道社長』、『番格ロック』、『昭和極道史』、『非情学園ワル』など、数多くの映画作品でその名を刻んでいます。

テレビ作品：時代劇からSFまで幅広い活躍

映画のみならず、テレビドラマにおいても山本英明は重要な役割を果たしました。時代劇では『銭形平次』（CX）、『桃太郎侍』（NTV）、『大江戸捜査網』（東京12ch）、『右門捕物帖』（NET）、『松平右近事件帳』（NTV）、『遠山の金さん』（ANB）など、人気シリーズに多数参加し、それぞれの作品に深みと魅力を与えています。

また、現代劇にも挑戦し、『大都会 PARTII』（NTV）、『大都会 PARTIII』（NTV）、『ザ・スーパーガール』（東京12ch）、『大激闘マッドポリス'80』（NTV）といった作品で、社会問題や人間模様をリアルに描き出しました。

特に、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズでは、テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』（YTV、館俊介名義）、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』（CX）、『宇宙空母ブルーノア』（YTV、第1話のみ）、『宇宙戦艦ヤマトIII』（YTV）と、複数作品で脚本を担当。このシリーズで培ったSF作品への深い理解は、彼の脚本家としての幅の広さを示すものと言えるでしょう。

脚本家としての山本英明

山本英明は、そのキャリアにおいて、ヤクザ映画から時代劇、SF作品まで、様々なジャンルの作品に携わり、常に高い評価を得てきました。単なる娯楽作品にとどまらず、社会問題や人間ドラマを織り交ぜた彼の脚本は、多くの視聴者・観客に感動を与え続けています。その功績は、日本の映像史に大きな足跡を残すものと言えるでしょう。また、彼の娘は少女漫画家の山本修世氏であることも知られています。

山本英明の残した作品群は、現在も多くのファンから愛され続けており、彼の才能と貢献は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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