山村新治郎 (11代目)

11代目山村新治郎の生涯

基本情報

11代目山村新治郎（やまむら しんじろう）は、1933年4月28日に生まれ、1992年4月12日に亡くなった日本の政治家です。彼は元衆議院議員であり、自由民主党に所属し、運輸政務次官や運輸大臣、農林水産大臣などを歴任しました。また、衆議院予算委員長としても重要な役割を果たしました。彼の業績に対して、正三位勲一等旭日大綬章が授与されています。

生い立ち

千葉県佐原市（現在の香取市）で生まれた山村新治郎は、歴史ある米穀商の家に育ちました。彼の家族は江戸時代から続く名家であり、父親の10代目新治郎は、衆議院議員や行政管理庁長官などを務め、政界での影響力を持っていました。山村は千葉県立佐原高等学校を卒業した後、学習院大学政経学部政治学科に入学しましたが、中退し、父の秘書として政治の舞台に立つことになりました。1964年、父の死去後、山村は旧千葉2区の補欠選挙に出馬し、初めて衆議院議員に当選しました。

よど号ハイジャック事件

山村が政治家として注目を浴びるきっかけとなったのが、1970年のよど号ハイジャック事件です。運輸政務次官としての職務中に、ハイジャックが発生し、山村は当時の運輸大臣・橋本登美三郎と共に犯人との交渉に臨みました。彼は乗客を守るため、自らを人質として差し出し、その結果、北朝鮮に向かい、約5日後に無事解放されます。この勇気ある行動により、彼は「男やましん」や「身代わり新治郎」として名を知られることとなり、内閣総理大臣顕彰も受けました。

政治経歴

よど号事件後も政治活動は続き、1976年の総選挙で落選したものの、1979年には再当選を果たし、国政に復帰しました。そして、1983年12月には第2次中曽根内閣で農林水産大臣として初入閣し、その後も運輸大臣、衆議院予算委員長を歴任しました。政治活動において、山村は成田空港の推進派としても知られ、地元の議員との意見対立もありましたが、成田新幹線の構想などに賛同し、積極的に地元との根回しを行いました。

最期とその影響

1992年、山村は北朝鮮への訪問を控えた状態で自宅で悲劇的な事件に遭遇します。精神疾患を抱える次女によって刺され、命を落としました。この事件は日本国内で大きな衝撃を与え、山村家の政治的血脈の終焉を意味しました。その後、山村の後継者として候補者が挙がるも、悲劇的な経緯から家族内での結論は得られず、政治活動は途切れることとなりました。

人物像

趣味は囲碁やゴルフで、学生時代にはボクシング選手としても活躍していました。彼は体格が小柄ながら、県高校ボクシング大会で優勝するほどの実力者でした。記者会見では、政務官としての役割を軽やかにこなす姿が見られ、次の選挙に向けての自信を見せる発言も多々ありました。また、千葉県香取市の香取神宮には、父子二代の胸像が立てられ、政治家としての矜持を後世に伝えています。

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