山田又司

山田又司（やまだ またじ）氏は、1884年9月3日に生まれ、1963年7月21日にその生涯を終えました。日本の政治家として知られ、衆議院議員を5期務めた人物です。

経歴

山田氏は新潟県の出身です。学業を修めるため上京し、1908年（明治41年）には慶応義塾大学の政治科を卒業しました。

大学卒業後、実業界へと進み、鉱業に従事するなどそのキャリアをスタートさせます。その後、多岐にわたる企業の経営に深く関与しました。社長としては、日本金鉱株式会社や会津石膏株式会社の経営を担いました。また、取締役として大阪機械製作所、日蘭公司、北越新報、中央証券取引所各株式会社の経営に携わるとともに、長岡鉄道株式会社や北越印刷株式会社では監査役を務めるなど、幅広い分野で実業家としての手腕を発揮しました。

実業界での活動と並行して、山田氏は地方政治にも積極的に関わります。長岡市議会議員や新潟県会議員を歴任し、地域社会の発展に貢献しました。さらに、長岡市青年会長、新潟港湾調査会顧問、長岡商業会議所特別議員といった要職も務め、地方における指導者としての地位を確立していきました。

国政への進出

地方政界での実績を背景に、山田氏は国政への道を歩みます。1924年（大正13年）に行われた第15回衆議院議員総選挙において、新潟2区（当時の小選挙区）から憲政会の公認候補として立候補し、初当選を果たしました。

その後も衆議院議員として活動を続け、1928年（昭和3年）の第16回総選挙では、選挙区を新潟3区（当時）に移し、立憲民政党の公認を得て再選されました。さらに1930年（昭和5年）の第17回総選挙では、所属政党を立憲政友会へと変え、同党の公認候補として三選を果たします。

以降、山田氏は立憲政友会から立候補を続け、1936年（昭和11年）に行われた第19回衆議院議員総選挙まで、衆議院議員として合計5期にわたり活動しました。政治家としてのキャリアを通じて、時代と共に変化する政党情勢の中で自身の政治活動を展開しました。

1937年（昭和12年）に実施された第20回衆議院議員総選挙には出馬せず、政界から身を引くことを選び、長年にわたる議員生活に終止符を打ちました。

多彩な側面

政治家、実業家として精力的に活動する一方で、山田氏はボート競技にも深い関心と造詣を持っていました。その技術と情熱は特筆すべきもので、1940年（昭和15年）に日本のボート競技の拠点となる戸田漕艇場がオープンした際には、その記念すべきデモンストレーションレースに出漕者として選ばれ、見事な漕ぎを披露したというエピソードが残されています。

このように、山田又司氏は政治、経済、地域活動、さらにはスポーツの分野に至るまで、多方面で活躍し、その生涯を通じて社会に貢献した人物と言えるでしょう。

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