山田白金

山田白金（やまだのしろがね）

奈良時代に活躍した官人であり明法家の山田白金は、生没年は明らかではありませんが、その業績と影響力から歴史に名を残した人物です。彼の名は、文献によって銀とも記されており、姓は初め「史」でありましたが、後に「連」に改姓しました。彼の官位は外従五位下、明法博士として重要な役割を果たしていました。また、彼は百済人成と同一人物であるという説もあります。

経歴

山田白金は天平6年から7年（734年から735年）頃に衛府少志を務め、その後も多くの重要な職に就いていました。彼は孝謙朝から淳仁朝にかけて明法博士を務め、特に養老律令施行後の天平宝字元年（757年）9月16日、平城宮での新令講書において、博士として重要な説を披露しました。この講書は、彼の学問的背景と法令に関する深い理解を示すものとなっています。

その後、天平宝字2年（758年）に外従五位下に昇進し、天平宝字3年（759年）には改姓し、史から連となりました。また同年には、主計頭の柿本市守と共に主計助に任命され、その後の天平宝字7年（763年）には河内介として地方官に転任しました。彼の経歴は、律令制度の発展に寄与したことが伺えます。

人物像

山田白金は、律令の解釈に関して非常に精通しており、彼の学説はその後の法律家にとっての標準となりました。『考課令』の1条集解釈所引或釈にある「大和山田説」の「山田」は、彼を指すと考えられています。このように、白金の業績は数世代にわたって影響を与え、彼の学問は尊敬され続けました。

また、彼の影響を受けた明法博士・菅原有真は、白金の学説に基づいて後の時代における法律解釈を行っています。これにより、白金がその時代の法律学に与えた影響は計り知れないものがあります。

百済人成との関係

白金と百済人成が同一人物であるとの説について、いくつかの文献に記録があります。淳和朝の天長3年（826年）、白金は養老律令修定に関与したことが記載されていますが、養老6年（722年）には、百済人成が賜田4町を受けた際には白金の名はありませんでした。このことから、両者が異なる人物である可能性も指摘されていますが、彼が天平宝字元年（757年）から天平宝字2年（758年）にかけて改名したという説も存在します。これらの事実をどのように解釈するかは、歴史家の間での議論の的となっています。

官歴

白金の官歴は次の通りです。

• - 天平年間前半：衛府少志
• - 時期不詳：正六位上、明法博士
• - 天平宝字2年（758年） 7月6日：外従五位下
• - 天平宝字3年（759年） 12月10日：史から連に改姓
• - 天平宝字5年（761年） 10月1日：兼主計助
• - 天平宝字7年（763年） 4月14日：河内介

また、百済人成の官歴としては、正八位下に位置付けられており、養老6年には賜田4町を受けるなど、彼自身も重要な官人であったことが伺えます。

系譜

山田白金は、後に山田春城という曾孫を持つことが知られています。彼の系譜は、奈良時代の重要な官人としての地位が世代を超えて引き継がれていることを示しています。彼の業績とその位置づけは、今後も日本の歴史研究において重要なテーマとなるでしょう。

脚注と参考文献

白金に関する研究や文献は多岐にわたり、これに基づいた考察は歴史の理解を深めるものです。

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