岡山電車区

岡山電車区：地域輸送を支えた車両基地の歴史

岡山電車区は、かつて岡山県岡山市北区に位置していた西日本旅客鉄道（JR西日本）の車両基地でした。ここでは、その概要、歴史、そして所属していた車両について詳細に解説します。

概要

岡山電車区は岡山支社が管轄し、主に岡山支社管内の電化区間を走る普通・快速用電車、電気機関車、貨車が配置されていました。最盛期には客車も配置されていましたが、後に廃止されています。特筆すべき点として、JRグループの現業機関で「電車区」を名乗り、かつ車両配置があるのは、岡山電車区と福知山[[電車区]]のみでした（当時）。

場所は山陽本線の岡山駅と北長瀬駅の間に位置し、山陽新幹線の博多総合車両所岡山支所やJR貨物の岡山貨物ターミナル駅に隣接していました。

2015年以降、JR西日本227系電車の導入に伴い、115系電車の運用が縮小。国鉄型車両の老朽化に伴い、2023年度からは新型車両の導入が予定されています。

2022年10月の組織改正により、下関総合車両所に統合され、「下関総合車両所岡山電車支所」に名称が変更されました。

所属車両

岡山電車区に所属していた車両には、以下のようなものがありました（2022年4月1日時点）。

電車

105系電車: 福塩線や山陽本線で活躍した2両編成のワンマン運転対応車両です。
113系電車: 山陽本線、宇野線、赤穂線などで運用された4両編成の車両で、転換クロスシートが特徴です。
115系電車: 岡山支社管内の各路線で幅広く運用されたグループ。耐寒耐雪構造を持つ1000番台が多数を占めます。湘南色を纏った編成も存在しました。
117系電車: かつては快速「サンライナー」として活躍した4両編成の車両です。後に普通列車として運用されました。
213系電車: 宇野線・瀬戸大橋線（マリンライナー）用に投入された車両。短編成化や「La Malle de Bois」への改造も行われました。
223系電車: 瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」で使用される5000番台。JR四国5000系と連結して運用されます。
クモヤ145形電車: 牽引車として使用されていました。

機関車

DE10形ディーゼル機関車: 入換や貨物列車の牽引に使用されました。

貨車

チキ5200形、チキ5500形、チキ6000形: レール輸送に使用される長物車です。
ホキ800形: バラスト輸送に使用されるホッパ車です。

過去の車両

過去には、32系、40系、42系、51系、72系、80系、103系などの旧型電車や、211系電車、12系客車、EF65形電気機関車なども所属していました。

歴史

岡山電車区は、その名を変えながらも、長年にわたり地域輸送を支えてきました。以下にその主な沿革を示します。

1982年：岡山運転区が岡山電車区に改称。
1986年：岡山電車区と岡山客貨車区の客車部門を統合し、岡山運転区となる。
1987年：国鉄分割民営化によりJR西日本の施設となる。
1989年：岡山運転所岡山派出所が岡山運転区に、岡山運転所と岡山気動車区が統合して岡山電車区となる。
* 2022年：下関総合車両所に統合され、下関総合車両所岡山電車支所となる。

まとめ

岡山電車区は、中国地方の鉄道輸送において重要な役割を果たしてきた車両基地です。組織再編により名称は変わりましたが、その役割は今も下関総合車両所岡山電車支所として地域輸送を支え続けています。配置されていた多種多様な車両たちは、鉄道ファンにとっても記憶に残る存在でしょう。

もう一度検索