岡崎電気軌道200形電車

岡崎電気軌道200形電車の概要

岡崎電気軌道200形電車は、名古屋鉄道の前身である岡崎電気軌道が1924年に導入した制御電動車です。この電車は、岡崎井田駅と門立駅間の開業にあわせて製造され、木造四軸ボギー車として設計されました。200形は岡崎電気軌道にとって最後の旅客用新造車となり、202号と201号の2両が製造されています。特に注目すべきは、201号が後に三河鉄道との合併により電装解除され、付随車のサハフ45号となったことです。一方、名鉄との合併後には202号がモ460形に改称されています。

構造

岡崎電気軌道200形電車は日本車輌製造で製造された12メートル級のシングルルーフ車体を持ち、定員は70名です。前面は丸妻型であり、5枚の前面窓が特徴的です。また、側面窓は一段下降式で、側面窓の配置はD 3 2 2 3 Dという形式です。台車は日車製D形台車を使用し、主電動機は東洋電機製造製の72馬力のものを4基搭載しています。制御装置にはHL制御装置が装備されており、制動装置はSME非常直通ブレーキです。集電装置はトロリーポールを用いていましたが、のちにパンタグラフに交換されています。

落成後の改造

1927年、岡崎電気軌道は三河鉄道と合併しました。1929年には岡電の郡部線が1,500 Vに電化され、これに伴い200形は路面区間走行用の設備が追加されました。しかし、後に鉄道線運用に戻った際にはこれらの設備は取り外されています。以降、岡崎線沿線にトヨタ自動車工業が進出し、1938年には輸送力の増強が求められました。その結果、201号は電装解除されてサハフ45号に改番されました。この改造により、201号の電動機や制御器、集電装置は撤去され、手ブレーキが設けられました。

運用の変遷

岡崎電気軌道の運行当初、200形は郡部線の大樹寺駅から門立駅で運用されていましたが、三河鉄道合併後の1929年に岡崎線の運用は一時的に終了し、以後は市内線に転属しました。その後、電装解除されたサハフ45は1938年に鉄道線の運用に戻りました。名鉄合併後、モ460形は西尾線への転属を経て、その後は蒲郡線でも運用されましたが、最終的には平坂支線の専用車となり、1960年に廃線となりました。

一方で、サ2110形2111号（旧サハフ45）は築港線に転属し、電気機関車に牽引される付随車として活躍しましたが、こちらも同様に1960年に廃車となりました。

まとめ

岡崎電気軌道200形電車は、技術的な進化とともに時代の変化を反映した車両であり、その歴史は名古屋鉄道の発展にも寄与しました。武骨な木造ボギー車の姿は、今でも多くの鉄道ファンの心に刻まれています。

もう一度検索