岡部聡

オートレース界のレジェンド：岡部聡

岡部聡（おかべさとし）は、1965年4月7日生まれの日本のオートレース選手である。福岡県出身で、山陽オートレース場所属の19期生として、長年にわたり第一線で活躍した名選手だ。

輝かしい戦績

岡部選手のキャリアは、まさに華々しい戦績で彩られている。通算優勝回数は86回を数え、グレードレース（SG、GI、GII）でも20回の優勝を達成している。特にSGレースでは5度の優勝を誇り、その実力はオートレース界のトップレベルにあることを証明している。GIレースでは13勝、GIIレースでは2勝を挙げ、全国競走成績でも2回第1位を獲得するなど、常に上位を争い続けた。

数々の受賞歴も彼の偉業を物語っている。優秀選手賞を2回、特別賞を1回、日刊三賞（殊勲賞・技能賞）をそれぞれ1回受賞。さらに、日本プロスポーツ大賞・功労賞を受賞するなど、オートレース界への貢献が広く認められている。

伝説に残る数々のレース

彼のキャリアを彩る数々の名勝負の中でも、特に記憶に残るレースをいくつか見ていこう。1988年のスピード王決定戦（山陽オート）、1990年の開場25周年記念グランプリ（山陽オート）、2000年と2002年、2004年、2005年、2007年のスピード王決定戦（山陽オート）での優勝など、山陽オートレース場での活躍は目覚ましく、地元ファンの熱い声援を受けてきた。

また、全国各地のレースでも数々の勝利を収めている。2001年の黒潮杯争奪戦（船橋オート）、2002年のキューポラ杯争奪戦（川口オート）、2003年のゴールデンレース（浜松オート）、2005年の日本選手権オートレース（川口オート）、2006年の全日本選抜オートレース（飯塚オート）、2010年の全日本選抜オートレース（浜松オート）など、数々のGIレースを制覇している。さらに、2002年のオートレースグランプリ（伊勢崎オート）ではSG初制覇を達成。2003年のスーパースター王座決定戦（川口オート）でもSGタイトルを獲得している。

2015年には、通算1000勝という偉業を達成。これはオートレース史に残る偉大な功績である。

「雨の鬼」の異名

岡部選手は、抜群の安定感と高い技術を持つオールラウンダーとして知られる一方で、「雨の鬼」という異名でも広く知られている。特に雨天時における卓越した走行技術は、他の選手を圧倒し、多くの勝利をもたらした。彼の雨天での強さは、全国でもトップクラスであり、幾度となく雨のレースで勝利を掴み取ってきた。SG制覇したレースも全て雨だったという事実が、この異名の由来である。この強さは、多くのファンを魅了し、彼の伝説に彩りを添えている。

師と弟子、そして仲間たち

岡部選手は、オートレース界では珍しい2人の師匠を持つという経歴を持つ。地元山陽オートの伊東隆美氏と、飯塚オートの桝崎正氏である。伊東氏の下で基礎を築いた後、桝崎氏の下へ入門し、整備技術や二気筒車の走法を徹底的に学んだ。この経験が、彼の技術を磨く上で大きな礎となったことは間違いないだろう。

また、彼は多くの選手との交流も深めていた。同期の片平巧選手、中村政信選手との関係も深く、同期でありライバルとして切磋琢磨してきた。浦田信輔選手、田中茂選手、池田政和選手、東小野正道選手、鈴木清選手など、多くの選手との絆が彼のオートレース人生を支えてきた。特に、雨の走り方を教えた鈴木清選手との関係は、師弟関係にも似た強い絆で結ばれている。

オートレース界への貢献

岡部聡選手は、その卓越した技術、そして類まれな精神力をもって、オートレース界に多大な貢献を果たした。数々の勝利、そして多くの後進への指導など、彼の功績は計り知れない。オートレース史にその名を刻む、真のレジェンドと言えるだろう。

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