岩倉具選

岩倉具選について

岩倉具選（いわくらともかず）は、江戸時代中期から後期にかけての著名な公卿であり、岡山藩主の末子である柳原光綱の子として知られています。彼は従三位という官位を持ち、岩倉家の第9代当主でもありました。

生い立ちと経歴

幼少期の名を涼吉とし、後に家具（いえとも）、さらには具選へと名を改めました。彼の成長過程では、岩倉広雅の養子となることで、名門での教育を受けることができました。正室には権大納言・綾小路有美の娘を迎え、その家系を継承する形となりました。

宝暦13年（1763年）、具選は叙爵を受け、以降、官職を次々と昇進していきました。弾正少弼や侍従といった地位を経て、安永2年（1773年）には後桜町上皇の院伴官代に就任し、さらには右近衛少将、近江介を経て、安永9年（1780年）には上皇の信任を得て院別当へ昇格しました。天明8年（1788年）、彼は従三位に到達し、晴れて公卿の仲間入りを果たします。

しかし、寛政8年（1796年）には贋金造りの嫌疑をかけられ、蟄居を余儀なくされます。翌年の寛政9年（1797年）には自身の名を落飾し、以後は剃髪して可汲と呼ばれるようになりました。後年は狩野派の影響を受けて絵画を学び、絵の才能を開花させます。

具選の生涯は文政7年（1824年）に幕を閉じ、享年は68歳でした。彼の遺骨は京都の出水通六軒町にある清光寺に埋葬されましました。

人物としての側面

具選は文学を愛し、特に和歌や詩文に精通していました。また、画家としての才能も発揮し、篆刻にも優れた技術を持っていました。彼は篆刻を高芙蓉に学び、その作品は『芙蓉山房私印譜』に記載されています。

さらに、寛政5年（1793年）には自身の著書『楷林』の上下2冊を刊行し、文人としての評価を高めていきます。彼の作品は、当時の日本の文化や芸術において大きな役割を果たしました。

家族関係

具選の家系にも興味深い点があります。父である柳原光綱、母の郁は織田信休の四女にあたる人物です。また、彼の養父である岩倉広雅も1736年から1769年まで生き、彼の成長を見守りました。正室との間には男子・岩倉具集（1778-1853）が生まれています。

参考文献

具選に関する情報は、主に中井敬所の「日本印人伝」や『日本の篆刻』にて紹介されています。また、関連項目として高山彦九郎に触れることもあります。彼の影響力は、当時の日本の文化発展に寄与したと言えるでしょう。

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