島津久郷

島津久郷（しまづ ひささと）

島津久郷は、江戸時代中期から後期にかけての薩摩藩士であり、宮之城島津家の第11代当主を務めました。

家系

宮之城島津家は、島津氏の分家の一つで、初代は島津忠良の三男である島津尚久です。代々の当主は通称として「図書」を名乗り、島津忠長の時代以降、薩摩国宮之城を領しました。久郷の先祖である久方の代に一所持となり、久倫の代に大身分に列せられました。宮之城島津家の家紋は、宮之城十文字です。

生涯

明和2年（1765年）に、島津家家臣である島津久平（久住）の子として誕生しました。幼名は久当と名乗りました。生家は、宮之城島津家第3代当主・久元の次男である島津久茂に始まる分家（基多村家・宮之城二男家）であり、父の久平は分家の7代目当主でした。

明和7年（1770年）6月、本家当主の島津久濃が後継ぎを残さずに亡くなったため、藩の命令により、久郷は宮之城島津家を相続することになりました。そして、久濃の娘を妻に迎えました。翌年の明和8年（1771年）11月には、藩主の島津重豪によって元服し、「又五郎」と名乗るようになりました。

天明3年（1783年）11月には、代々の当主が名乗ってきた通称である「図書」を襲名しました。しかし、寛政9年（1798年）12月3日に、33歳という若さで亡くなりました。家督は、長男の久儔が相続しました。

島津久郷は、若くして宮之城島津家の当主となり、その短い生涯の中で家を支えました。彼の死後、家督は長男の久儔が継ぎ、宮之城島津家はその後も存続しました。

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