島津常久

島津常久について

島津常久は、安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけての武将で、島津家家臣として活躍しました。薩摩藩の重臣であり、日置島津家の3代目当主としても知られています。

生涯

天正15年（1587年）、島津家臣の島津忠隣の子として生まれました。母は島津歳久の長女である湯之尾です。しかし、生後わずか3ヶ月後の根白坂の戦いで父・忠隣が戦死。幼くして父を失った常久は、祖父である歳久によって養育されました。

しかし、その歳久も豊臣秀吉の命により自害に追い込まれます。歳久の夫人と長女は、この処分に不服を唱え、常久を擁して虎居城に籠城しました。この事態に対し、細川幽斎や主君の島津義久が新納忠元を派遣し、歳久の遺族や遺臣を害さないことを約束。最終的に、常久が成人した際に旧領を回復するという条件で開城しました。

成人後、常久は文禄4年（1595年）に日置の山田・神ノ川3600石を賜り移住。その後も、慶長6年（1601年）には藺牟田、翌年には祁答院船木村、慶長13年（1608年）には伊作の中ノ里などを与えられ、領地を拡大していきました。

主君である島津家久からの信任も厚く、家久の代理として江戸で人質役を務めるなど、重要な役割を担いました。これらの功績が認められ、鹿児島城の詰めの城である上之山城の城主に任命されました。

しかし、慶長19年（1614年）、疱瘡（天然痘）により28歳という若さで急逝しました。遺体は日置の大乗寺に葬られ、後に同じ日置の光禅寺に改葬されました。

常久は、幼くして両親を失うという不幸に見舞われながらも、島津家臣として数々の功績を上げ、主君からの信頼も厚い人物でした。その生涯は、戦国時代から江戸時代への変革期における武将の生き様を示すものと言えるでしょう。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）
『島津歳久の自害（増補改訂版）』島津修久著　島津顕彰会、2000年10月

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