島津忠隣

島津忠隣（しまづ ただちか）

生涯

島津忠隣は、安土桃山時代の武将であり、島津家家臣で、日置島津家の2代目当主です。父は島津義虎、母は島津義久の長女である御平です。天正12年（1584年）、大叔父にあたる島津歳久の養嗣子となり、歳久の長女を妻としました。

天正14年（1586年）、筑紫広門征伐の副将に任じられ初陣を飾ります。しかし、若年であったため、島津義久より遠矢信濃守良時と木脇伊賀入道祐定が補佐として付けられました。7月6日には鷹取城攻めに参加し、同27日の岩屋城の戦いでは取添口から攻撃を仕掛け、軍功を上げました。

天正15年（1587年）、豊臣秀吉による九州平定が始まると、島津氏は防戦一方となります。重要な戦略拠点であった日向国の根白坂（現在の宮崎県木城町）は宮部継潤に占拠されてしまいます。忠隣は、夜襲をかけて根白坂を奪回することを提案しますが、無謀な作戦だと島津家久に反対されます。しかし、忠隣は制止を振り切り根白坂を攻撃。宮部軍はこれを予測しており、反撃に遭い島津軍はほぼ全滅、忠隣も討ち死にを遂げました（根白坂の戦い）。

忠隣は、鉄砲で傷を負い、出血がひどかったため、家臣の鎌田囚獄左衛門政金に水を求めます。政金は、傍にあった青梅を千切り、忠隣に差し出しました。忠隣は、それを末期の水代わりに一口食べ、19歳という若さでこの世を去りました。家臣たちは、忠隣の遺体を盾板に乗せて退却しました。

なお、忠隣の長男である常久は、その年の1月に生まれたばかりでしたが、島津歳久によって養育され、日置島津家はその後も続いていきます。

補足

島津忠隣は、若くして戦死した武将ですが、その勇猛さは多くの人に語り継がれています。初陣からわずか1年で戦死したものの、その短い生涯で武功を上げ、島津家のために尽力しました。根白坂の戦いでの悲劇的な最期は、彼の勇猛さと若さゆえの無謀さを象徴する出来事として、歴史に刻まれています。

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