島津忠倍

島津忠倍について

島津忠倍（しまづ ただます）は、天正6年（1578年）に生まれ、慶長14年（1609年）に32歳で亡くなった武将です。安土桃山時代から江戸時代初期にかけての人物で、薩摩島津氏の分家にあたります。幼名は菊寿丸、通称は又五郎といい、河内守を受領名としました。

忠倍の父は島津忠長で、祖父は島津貴久の末弟である島津尚久です。島津氏は、忠倍の生きた時代に豊臣秀吉に降伏しており、父の忠長は人質として伏見に滞在していました。忠倍もまた、薩摩と伏見を往来しながら、父と共に伏見に在勤しました。

武将としての忠倍は、父と共に文禄・慶長の役に従軍しており、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いにおいては、加藤清正の軍船が水俣との国境を侵す動きを見せたため、父と共に国境警備の任にあたっています。慶長11年（1606年）には、父の忠長が鹿児島へ移住した際、忠倍は父の命により、自身の領地である東郷へ居を移しました。

忠倍は慶長14年（1609年）に32歳で亡くなりました。法名は「大円覚翁庵主」です。彼の死後、3名の家臣（阿久根為兵衛・山本弾右衛門・有馬慶助）が殉死しており、忠倍の人となりを偲ぶことができます。

系譜

父：島津忠長
母：島津忠将の娘
妻：喜入久道の娘

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）

島津忠倍は、若くして戦に従い、国境警備などの重要な役割を果たしました。その生涯は短いものでしたが、多くの人々に影響を与え、家臣に殉死されるほど慕われた人物であったと言えるでしょう。

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