崔烈

崔烈の生涯とその影響

崔烈（さい れつ、? - 192年6月28日）は、中国後漢末期において活躍した政治家および軍人である。彼の字は威考で、河北省の博陵郡安平県に生まれた。父は崔盤、子には崔均や崔州平がいる。彼の事績は『後漢書』や『三国志』に記されており、司徒や太尉、城門校尉といった重要な役職を歴任した。

早年と政治の舞台へ

崔烈は若いころから、その才覚が認められ、名声を博していた。185年、霊帝の在位中、官職を買う売官制が実施され、彼は高額で司徒の職位を購入する。この行動は彼の名声を損ね、さらには息子の崔均からも厳しい非難を受けることになった。崔均の発言によって、「銅臭」という言葉が生まれ、これは金権政治の弊害を象徴するものとなった。

政治的な混乱と功罪

崔烈はその後も太尉などの要職を務めたが、後に彼の後任となる曹嵩もまた、同じく大金を使ってこの地位に就くことになる（彼は曹操の父である）。しかし、彼の外交的な能力は疑問視された。特に、韓遂や王国らの反乱に対して、涼州を放棄する案を提唱したが、傅燮から激しく非難されることとなった。このことが彼の政治的な評価を下げる要因となった。

霊帝の死後、後漢は混乱に陥り、十常侍による何進の暗殺や、袁紹らの宦官誅殺が行われた。崔烈は、段珪が連れ去った霊帝の子、少帝と陳留王（後の献帝）を保護したが、董卓の専横には対抗できず、その結果、息子の崔均が袁紹に賛同したために自身は拘束されてしまった。

最期と後の評価

董卓が王允や呂布によって暗殺された後、その残党が蜂起した。しかし、崔烈は城門校尉として長安を守ったものの、李傕らが長安を占拠した際、王允や他の官人と共に命を落とした。彼の死は、当時の政治の混乱と腐敗の象徴的な出来事でもあった。

小説『三国志演義』においては、架空の弟・崔毅を持つ兄として言及され、城門校尉として董卓の仇討ちに来た李傕や郭汜らに対して反抗する様子が描かれている。しかし、結局は彼らの横暴により戦死してしまう。

崔烈の影響

崔烈の生涯は、後漢末期の政治的混迷をの象徴とも言える。彼の行動は、金権政治とそれに伴う腐敗の一つの例として、後世に大きな影響を与えた。彼の業績や彼が体現した時代の歪みは、歴史において重要な教訓として残されている。

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