川上久隅

川上久隅（かわかみ ひさずみ）

川上久隅は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、島津氏の家臣として活躍しました。川上氏の11代当主であり、その生涯は波乱に満ちていました。

生涯

天文元年（1532年）、川上氏10代当主・川上昌久の子として誕生しました。父・昌久は、島津氏14代当主・島津勝久の家老を務めていましたが、勝久を諫めたために自害に追い込まれました。さらに勝久は川上氏の居城を攻めましたが、久隅の母と家臣は久隅を擁して勝久の攻撃を退けました。この功績により、後に島津忠良から本領を安堵され、藺牟田（いむた）の地頭に任じられました。

元亀年間には、「吉野牧」と呼ばれる牧場を開き、天正2年（1574年）には川上村の地頭にも任じられました。その後、島津義弘の家老として仕え、天正6年（1578年）の耳川の戦いに従軍しました。天正9年（1581年）の水俣城攻めでは大将を任され、同年には肥前有馬氏の加勢として出陣し、龍造寺氏が所有していた千々石城を攻めた際には、敵兵300余を討ち取るという武功を挙げました。天正14年（1586年）の岩屋城攻めにも参加しています。

文禄の役の際、長男・久利が朝鮮から勝手に帰国したため、次男・久通が家督代わりとして朝鮮へ出兵しましたが、慶長3年（1598年）に朝鮮で病死しました。久利はその後も庄内の乱への出兵に応じないなど、素行を改めなかったため、久隅は久利を庶流とし、久通の子・久貞に川上宗家を継がせ、当主としました。

慶長16年（1611年）、川上久隅は80歳でその生涯を閉じました。彼は、激動の時代を生き抜き、島津氏を支えた武将として、その名を歴史に刻んでいます。

脚注

* 出典：『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）

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