川越丈雄

川越丈雄（かわごえ たけお）

川越丈雄は、1884年11月1日に鹿児島県で生まれ、1966年3月11日に亡くなった日本の官僚、銀行家です。大蔵省に入省し、大蔵次官、法制局長官などを歴任しました。

生い立ちと学歴

川越丈雄は、川越武助の長男として誕生しました。加治木中学、第一高等学校を経て、1910年10月に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。同年11月には文官高等試験に合格し、大蔵省に入省しました。

大蔵省でのキャリア

大蔵省入省後、専売局書記兼大蔵属、専売局長官官房兼理財局勤務を経て、1918年6月に大蔵省主計官・主計局予算決算課に配属されました。その後、大蔵書記官、主計局司計課長、同決算課長、同予算決算課長、預金部長などを歴任しました。1934年5月には銀行局長に就任し、対満事務局次長を経て、1936年3月には大蔵次官に昇進しました。1937年2月には林内閣の法制局長官に就任し、同年6月までその職を務めました。

1938年1月には、大蔵省から中華民国の財政経済の状況調査を委嘱されました。

退官後の活動

退官後、川越丈雄は庶民金庫理事長、東北興業会社（現:三菱マテリアル）総裁を歴任しました。第二次世界大戦後、1946年9月から1951年8月まで公職追放となりましたが、その後、日本殖産（株）会長、平和殖産無尽（株）会長、平和相互銀行社長、同会長を歴任し、民間企業でも活躍しました。

栄典

1921年（大正10年）7月1日には、第一回国勢調査記念章を受章しています。

親族

父は川越武助。妻は陸軍大佐・石井忠利の長女であるタミで、石井康の姉にあたります。長男は川越正雄で、日本興業銀行を経て東京卸売センター役員を務めました。二男は建築学者の川越邦雄です。

参考文献

秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。


川越丈雄は、大蔵省の官僚として日本の財政を支え、退官後は民間企業の要職を担うなど、幅広い分野で活躍した人物です。その生涯は、日本の近代史における重要な一断面を映し出しています。

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