巴富士俊英

巴富士俊英のプロフィールとキャリア

巴富士俊英（ともえふじ としひで）は1971年1月27日生まれ、秋田県鹿角郡十和田町（現在の鹿角市）出身の元大相撲力士です。彼は九重部屋に属し、本名は黒澤俊英（くろさわ としひで）。現役時代は191cm、151kgの体格を誇り、最高位は西張出小結に達しました。その技術的には、得意の左四つや下手投げを駆使し、個性的な相撲を展開しました。

来歴

巴富士は農家の次男として生まれ、中学時代は柔道と相撲の両方で活躍しました。中学校での全国大会に出場し、三代目若乃花との対戦に挑みましたが、反則負けとなり準優勝という結果に終わります。1986年には元横綱・北の富士が率いる九重部屋に入門し、千代の富士の内弟子となりました。この年の5月場所で15歳にして初土俵を踏むことになります。

入門後は、先輩の千代の富士や北勝海から多くの影響を受け、力士としての基礎を築いていきました。1990年には新十両に昇進し、幕下から十両へと着実に成長を続けます。

幕内進出

1991年、その年の1月場所で幕内入りを果たし、以降は順調に成績を上げました。特に10勝を挙げて敢闘賞を受賞するなど、若手力士としての名を馳せました。しかし、その後の試合での負傷が影響し、番付を下げてしまいます。

1992年には新小結に昇進するものの、腰痛の悪化により思うような成績を残せず、わずか1日で出場を休む事態に。これが巴富士にとっての三役経験でもあり、以降は怪我の影響で番付が下がっていきました。1993年以降は右膝など複数の怪我に悩まされ、自身の力士生活の厳しさを味わうことになりました。

引退後の生活

1998年には引退を決断し、年寄株を取得できずに日本相撲協会を去った後、地元秋田に戻り起業しました。新たに設立した「株式会社 フジトレーディング」では、農機具の販売を主な業務とし、社長として地域に貢献しています。この会社名には、彼自身の四股名や兄弟子の千代の富士への敬意が込められています。

巴富士の人生は、力士としての栄光から商人としての成功へとつながっています。その実力を活かしつつ、新しい挑戦を続ける姿は、多くの人々に勇気を与えることでしょう。

主な戦績

巴富士の通算成績は354勝307敗で、勝率は.536。幕内成績は112勝117敗であり、現役在位は74場所、幕内在位は17場所に及びました。三役には1場所だけ在位しており、敢闘賞を1回受賞しています。

人物像と影響

彼は192cm、153kgの大柄な体格で注目され、技術的には特に投げ技に優れていました。しかし、怪我や病気の影響で若くして引退を余儀なくされることとなります。巴富士の引退後も、九重部屋の伝統は続き、彼が培ったスピリットは後輩たちにも引き継がれています。

引退から数十年後も彼の名は相撲界に広く知られ続け、地域社会でもその活躍が見られることから、巴富士俊英は多くの人々に影響を与える存在となっています。

もう一度検索