幌似駅

幌似駅（ほろにえき）

幌似駅は、かつて北海道岩内郡共和町に存在した、日本国有鉄道（国鉄）岩内線の駅（廃駅）でした。電報略号はホニ、事務管理コードは▲131802でした。

駅構造

廃止時点では、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の北側（岩内方面に向かって右手側）に位置していました。かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅でしたが、交換設備運用廃止後は、駅舎と反対側の1線が側線として残っていました。ただし、プラットホームは撤去されていました。その他、小沢方から駅舎側に分岐し、駅舎東側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していました。

職員配置駅で、駅舎は構内の北側に位置し、ホーム中央部分に接していました。

駅名の由来

所在地名に由来します。地名は、アイヌ語の「ポロイチャンイ（poro-ichan-i）」（大きい・サケやマスの産卵場）に由来するとされています。

幕末・明治の探検家、松浦武四郎の『丁巳日誌』には「ホロイチャン 多く鮭が卵を置く」とあり、それが「ホロイザンニ」「ホロニサンニ」と呼ばれるようになり、省略されて漢字を当てられ「幌似」となったと考えられています。

このほか、「ポロナイ（poro-nay）」（大きい・川）に由来するとする説もありますが、旧記などから、上記の説が妥当と考えられています。

利用状況

1981年度（昭和56年度）の1日乗降客数は54人でした。

駅周辺

駅周辺には、らいでん西瓜や雷電メロンの畑が広がっていました。

国道276号（尻別国道）
共和町役場
共和簡易郵便局
堀株川
北海道中央バス（高速いわない号）・ニセコバス「共和役場前」停留所

歴史

1919年（大正8年）12月5日：鉄道院岩内軽便線の幌似駅として開業。一般駅。
1922年（大正11年）9月2日：線路名を岩内線と改称、同線の駅となる。
1976年（昭和51年）3月10日：貨物取扱い廃止。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物取扱い廃止。
1985年（昭和60年）7月1日：岩内線の廃線に伴い廃止となる。

駅跡

旧駅構内は共和町により「幌似鉄道記念公園」として整備されました。駅舎、ホーム、駅名標、側線を含む線路など、廃止当時の構内施設がそのまま残る形で保存されていました。駅舎内にはさよなら列車のヘッドマークや事務備品など岩内線関連資料が保存・展示され、貨物側線には旧型客車であるスハフ42形スハフ42 257と、それに連結してワフ29500形ワフ29587有蓋緩急車の2両が静態保存・展示されていました。

その後、国道276号岩内共和道路の工事のため、公園全体が移動しました。本物のホームと線路は撤去され、貨物ホームも埋められ屋根と痕跡を残すのみとなっています。駅舎は移設され、ホームと線路は新造、保存車両も移動しました。2011年（平成23年）時点で現存しています。

その他

映画『旅路』（1967年（昭和42年）、製作：東映、監督：村山新治）のロケ地として利用されました。物語の主役、室伏雄一郎（演：仲代達矢）の勤務駅として登場します。なお、同作品の中で当駅は函館本線塩谷駅として描かれています。

隣の駅

日本国有鉄道
岩内線

国富駅 - 幌似駅 - 前田駅

脚注

関連項目

日本の鉄道駅一覧
特定地方交通線

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