平澤貞昭

平澤貞昭

平澤貞昭（ひらさわ さだあき）は、1932年4月7日に生まれた日本の大蔵官僚です。最終学歴は東京大学法学部で、卒業後は大蔵省に入省し、様々な要職を歴任しました。

キャリア

平澤氏は、1955年に東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省しました。最初の配属先は大臣官房文書課でした。その後、近畿財務局長、主計局次長、経済企画庁長官官房長、大蔵省銀行局長といった重要なポストを経験し、1989年には大蔵事務次官に就任しました。大蔵省では、主に財政や金融政策に関わる業務に携わりました。

1990年に大蔵省を退官した後、1992年から1994年まで国民金融公庫総裁を務めました。その後、1994年には横浜銀行頭取に就任し、銀行経営に携わることになりました。2004年には横浜銀行の会長兼頭取、2005年には会長となり、長年にわたり同銀行の発展に貢献しました。

日銀総裁候補

平澤氏は、横浜銀行頭取に就任する前、日本銀行総裁の候補としても名前が挙がっていました。当時、現役の大蔵事務次官であった斎藤次郎氏が、自身の師匠格である吉野良彦氏や主流派閥の親分格であった山口光秀氏と共に、平澤氏を含む3人の元次官を次期総裁候補として推薦していました。しかし、結局は、一高の同期であった三重野康前総裁の後任ということで、同じく元次官の長岡實氏が推す松下康雄氏が選出されることとなりました。この人事は、当時の大蔵省内の派閥争いや、様々な政治的駆け引きの結果であり、平澤氏が日銀総裁となることはありませんでした。

受章

平澤氏は、2006年の秋の叙勲で瑞宝大綬章を受章しました。これは、長年の官僚としての功績や、金融業界における貢献が認められた結果と言えるでしょう。

略歴詳細

以下に、平澤氏の詳しい略歴をまとめます。

1955年4月: 大蔵省入省
1957年5月: 近畿財務局理財部理財課
1958年11月: 東京国税局直税部所得税課
1960年4月: 大蔵省主計局総務課
1960年7月: 大蔵省主計局地方財政第二係長
1962年7月10日: 四日市税務署長
1963年7月: 大蔵省銀行局総務課長補佐
1964年2月: 大蔵省銀行局銀行課長補佐
1970年7月: 大蔵省理財局総務課長補佐（総括・文書・企画）
1972年7月: 大蔵省理財局付
1973年5月21日: 外務省在ニューヨーク日本国総領事館領事
1976年6月25日: 大蔵省理財局国債課長
1978年6月26日: 大蔵省銀行局銀行課長
1979年7月10日: 大蔵省大臣官房文書課長
1981年6月26日: 近畿財務局長
1982年6月1日: 大蔵省主計局次長（末席）（建設・公共事業、農水、地方財政・補助金、大蔵担当）
1983年6月7日: 大蔵省主計局次長（首席）
1985年6月25日: 経済企画庁長官官房長
1986年6月10日: 大蔵省銀行局長
1989年6月23日: 大蔵事務次官
1990年6月29日: 依願免本官
1992年7月15日: 国民金融公庫総裁
1993年6月1日: 同再任
1994年5月20日: 同依願退任
1994年6月: 株式会社横浜銀行頭取
1998年6月: 株式会社産業貿易センター取締役
2004年6月: 株式会社横浜銀行取締役会長兼頭取
2005年6月: 株式会社横浜銀行取締役会長
2006年6月: 株式会社横浜国際平和会議場取締役
2006年11月3日: 瑞宝大綬章受章

人物

平澤氏は、大蔵省入省同期に、藤井裕久、行天豊雄、宮本一三、吉居時哉、岸田俊輔、宍倉宗夫、小野博義、佐藤光夫といった錚々たるメンバーがいます。これらの人物も、後に日本の経済界や官界で重要な役割を果たすことになりました。

平澤氏は、そのキャリアを通じて、日本の財政、金融政策に深く関わってきました。その経験と知識は、退官後も、国民金融公庫や横浜銀行といった組織の発展に大きく貢献しました。

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