庭田嗣子

庭田嗣子（にわた つぐこ）

庭田嗣子（1820年 - 1867年）は、江戸時代後期の女性で、仁孝天皇の典侍として知られています。父は権大納言の庭田重能、母は大炊御門家孝の娘という公家出身です。兄には庭田重基、五辻高仲がいます。

宮中では新典侍、宰相典侍と称され、位階は正五位下に叙せられました。1834年に宮中に出仕し、1836年には仁孝天皇の典侍となります。1846年に仁孝天皇が崩御した後も、宮中に留まり、後宮の指導にあたりました。1860年には、後の明治天皇となる祐宮睦仁親王の「御深曽木の儀」に奉仕しています。

同年、孝明天皇の皇妹である和宮親子内親王が、将軍徳川家茂に降嫁することが決まると、嗣子は和宮付きを命じられ、女官名「宰相典侍」のまま江戸へ下向しました。江戸城大奥では、和宮の生母である橋本経子（観行院）と共に、和宮の側近として活躍しました。大奥では観行院と同様に「上臈上座」の位を授けられ、和宮を支えました。

1865年に観行院が亡くなった後も、嗣子は終生和宮に尽くしました。大奥では、天璋院（篤姫）や老女の瀧山らと対立することもあったようです。また、大奥での出来事を詳細に記録した「御側日記」を執筆しており、当時の宮中や大奥の様子を知る上で貴重な資料となっています。

1867年、江戸城大奥で亡くなりました。戒名は清実院殿忠香妙蓮嗣香大姉。墓所は京都市黒谷町にある金戒光明寺龍光院にあります。

庭田嗣子が登場する作品

庭田嗣子をモデルとした人物が登場する映像作品や舞台作品は以下の通りです。

テレビドラマ
大奥（1968年、関西テレビ） - 演：寺島信子（役名は常磐井）
和宮様御留（1981年、フジテレビ） - 演：園佳也子
大奥（1983年、関西テレビ） - 演：川口敦子
天璋院篤姫（1985年、テレビ朝日） - 演：南風洋子
和宮様御留（1991年、テレビ朝日） - 演：冨士眞奈美
篤姫（2008年、NHK大河ドラマ） - 演：中村メイコ
舞台劇
和宮様御留（1981年、東京宝塚劇場） - 演：園佳代子
和宮様御留（2006年、新橋演舞場） - 演：小川眞由美

これらの作品を通して、庭田嗣子の人物像や、彼女が生きた時代背景に触れることができます。

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