建川美次

建川 美次の生涯

建川美次（たてかわ よしつぐ、1880年10月3日 - 1945年9月9日）は、日本の陸軍軍人及び外交官として、重要な役割を果たしました。彼の最終的な階級は陸軍中将であり、勲一等功四級を受章しています。

生い立ちと教育

新潟県新潟市で、地方官吏・野崎美孝の三男として生まれ、後に地方官吏の建川周平に養子に迎えられました。高田中学校を経て、旧制新潟中学校を卒業し、1901年には陸軍士官学校第13期を卒業。見習士官を経て陸軍の騎兵少尉として任官しました。

日露戦争への出征

彼は1904年に日露戦争に出征し、翌年には騎兵の機動力を生かして建川挺進斥候隊の隊長を務めました。この部隊はロシア軍の奥深くへ進出し、1400キロを超える距離を走破し、奉天会戦の勝利に貢献しました。この戦功により、彼は特別な表彰を受け、当時の小説の主人公のモデルでもあったと言われています。

軍令畑への進出

戦後、建川は陸軍大学校を卒業し、主に軍令畑でのキャリアを歩みました。第一次世界大戦には観戦武官として参加し、戦後は様々なポジションを歴任。特に宇垣一成の側近として重要な役割を果たし、1928年には少将に進級しました。

政治的軍人としての活動

1931年には政治的動きに参加し、三月事件ではクーデター計画に関与しました。これにより、彼は当時の政治状況に強い影響を与える人物となりました。満洲事変の際には、関東軍の行動を抑止しようとしましたが、実際には事件を止めることはできませんでした。

二・二六事件と予備役編入

1936年に発生した二・二六事件では、自身の立場を維持するために反乱軍の鎮圧に関与。事件後は予備役編入となり、この際の動きが後の彼のキャリアに影響を与えました。

駐ソビエト連邦大使としての活躍

1940年、彼は東郷茂徳の後を引き継ぐ形で駐ソビエト連邦大使に就任し、日ソ中立条約に調印。終戦後は大政翼賛会総務及び大日本翼賛壮年団長として活動しましたが、戦後は混乱の中で亡くなりました。

晩年と遺産

建川は1945年に自宅で息を引き取りました。その後、彼の発給したビザによって救われたユダヤ人の遺族が、2020年に謝意を伝える機会を持ったことは、彼の歴史的な意義を再評価する契機にもなりました。

年譜

1901年 陸軍士官学校卒業、その後職業としての経歴を重ねる。
1904年 日露戦争に従軍。
1940年 駐ソビエト大使に就任。
1945年 地元で死去。

彼の生涯は、政治と軍事が交差する歴史の中で、影響力を持った一人物として記憶されています。

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