弘中方明

弘中方明（ひろなか かたあき/かたあきら/まさあきら）は、戦国時代の武将であり、周防・長門を本拠とする大内氏の家臣でした。後に毛利氏の家臣となっています。

生涯

弘中方明は、弘中興勝（興兼）の次男として生まれました。実兄である弘中隆兼は安芸国の守護代であり、方明は兄を補佐して岩国領の水軍を指揮しました。冷泉隆豊や小早川隆景（毛利元就の三男）らと共に大内軍の水軍の一翼を担い、神辺城の戦いなどにおいて智勇を発揮しました。

天文24年（1555年）の厳島の戦いでは、兄の隆兼や甥の隆助が厳島へ渡海して討死しましたが、方明は自身の領地である岩国に待機していました。同年から始まった毛利氏による防長経略においては、方明は抵抗することなく、三蔵主（さんぞうす）と名乗って琥珀院に出家し、岩国に駐屯していた毛利元就に降伏しました。元就はその智勇を高く評価し、毛利家の家臣として迎え入れました。この際、元就から偏諱である「就」の字を与えられ、名を弘中就慰（なりやす）と改め、300貫の所領を与えられました。

その後は毛利水軍の一員として、主に吉川元春（毛利元就の次男）を支え、門司城の戦いや立花山城の戦いなど、数々の戦いを経験しました。弘中方明は水軍の将として、毛利氏の勢力拡大に大きく貢献しました。

方明の子孫は、その後、萩藩士として存続しました。彼の家系は、萩藩において一定の地位を保ち、幕末までその家名を残しました。

参考資料
萩藩諸家系譜
萩藩閥閲録

関連項目
* 弘中氏

もう一度検索