張微

張 微（ちょう び）とは

張微は、中国の晋代に生きた著名な政治家であり軍人です。彼の字は建興であり、犍為郡武陽県出身です。彼は、かの有名な前漢三傑の一人である張良の子孫にあたります。その血筋を引く彼の家族も歴史に名を刻んでおり、先祖の張晧は後漢の司空を、また彼の高祖父である張綱は広陵太守といった重要な役職に就いていました。さらに、彼の父親張翼は蜀漢の左車騎将軍を務めており、張微は恵まれた環境の中で成長しました。

若き日の張微

張微は若い頃、同郡の費緝や蜀郡の寿良と共にその名を知られる存在となりました。彼は真心に厚く、学問を好む性格を持っていたと言われています。彼の教育を受けたことが、後の彼の行動や考え方に大きな影響を与えたことでしょう。名門に生まれたとはいえ、その背景だけでなく、自らの努力によって地位を築いていった点が彼の特筆すべき特徴です。

政治の舞台へ

永康元年（300年）、益州刺史の趙廞が反乱を起こし、大将軍を名乗る事態となりました。張微は広漢郡太守として、その混乱の中で軍祭酒に任じられることとなります。しかし、翌年の永寧元年、趙廞の部下である李特が反抗的な動きを見せ、成都城に迫る危機が訪れました。張微は他の軍人たちと共に、夜中に城門を切り開いて脱出する判断を下しました。この大胆な行動は、彼の軍人としての資質を示すものです。

最期の時

302年には河間王によって再び広漢郡太守に任じられ、徳陽に駐屯しました。しかし、運命は彼に厳しい形で訪れます。太安元年（302年）5月、蜀の地で李特が再び反乱を起こしました。張微は一度、李特の陣営に斬り込む勇敢な行動に出ますが、残念なことに広漢は包囲され、彼は命を落とす結果となります。李特は張微の子、張存も捕らえましたが、彼の菩提を弔わせる名目で特例として釈放したとのことです。このように、張微の生涯は波乱万丈であり、彼の勇気と忠義が歴史に刻まれています。

参考文献

• - 『晋書』巻120 載記 第20
• - 『華陽国志』 巻8 大同志、巻11 後賢志

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