張挙 (後趙)

張挙（ちょう きょ）

張挙（生年不詳 - 351年）は、五胡十六国時代の後趙に仕えた人物です。

生涯

後趙において、張挙は征北大将軍に任じられました。339年には、征東将軍李農と共に3万の兵を率いて前燕へ侵攻し、凡城を攻撃しました。しかし、前燕の将軍悦綰の奮戦により、10日間の攻撃も実らず撤退を余儀なくされました。

342年頃には、雁門から出撃し、索頭郁鞠という部族を討伐し、これを打ち破る功績を挙げました。その後、太尉に昇進しています。

348年、石虎が皇太子を決定する際、張挙は燕公石斌と彭城公石遵を推挙しました。しかし、張豺の策謀により石世が皇太子に選ばれることになります。石虎が改めて群臣にこの件を諮ると、張挙は李農と共に石世を太子とするよう公卿に上書を勧めるなど、石世擁立に動きました。

349年に石虎が死去し石世が即位すると、張豺が実権を握りました。張豺は李農を排除しようと企み、張挙に相談しましたが、張挙は李農に密告します。これにより李農は後趙から逃れ、兵を集めて上白城に籠城しました。張挙は劉皇太后の命により上白城を包囲しますが、彭城王石遵が帝位を簒奪すると、包囲を解きました。

349年12月、新興王石祗が冉閔（当時は石閔）の誅殺を掲げて挙兵すると、張挙は冉閔の命により石琨らと共に迎撃に向かいました。しかし、350年1月に冉閔が国号を「衛」に改め、姓を「李」と改めると、張挙は石祗を頼り冉閔から離反しました。

同年、張挙は石琨、王朗と共に7万の兵を率いて冉閔の守る鄴へ侵攻しますが、冉閔に大敗を喫しました。

350年11月、冉閔は襄国へ侵攻し、351年2月には襄国を包囲しました。窮地に陥った石祗は、張挙に伝国璽を持たせて前燕に援軍を要請しました。前燕はこれに応じ悦綰を派遣しましたが、冉閔もまた使者を派遣し、本物の伝国璽は鄴にあると主張しました。前燕の慕容儁は張挙の言葉を信じていましたが、悦綰の帰還後、張挙の発言が虚偽であることが発覚し、張挙は処刑されました。

参考文献

『晋書』載記第7
『資治通鑑』巻96 - 巻99
* 『十六国春秋』後趙録

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