後藤利幸

後藤 利幸



京都府京都市出身、1971年5月4日生まれの元プロ野球選手。主に投手として活躍し、千葉ロッテマリーンズに所属した。

アマチュア時代



中学時代は内野手としてプレーしていたが、京都府立鳥羽高等学校へ進学後、投手へと転向した。高校卒業後は社会人野球の名門、三菱重工神戸に入団。社会人野球屈指の投手として頭角を現し、都市対抗野球大会には補強選手としても含め、3年連続で出場するなど、合計4回の出場経験を持つ。また、社会人野球日本選手権大会でも好投を見せた。

特に、1992年の日本選手権では準々決勝で先発のマウンドに上がったが、この試合で後にプロでも活躍する日本石油の打者、大久保秀昭に2本のホームランを浴び、チームは惜しくも敗退した。翌1993年の都市対抗野球では、神戸製鋼の補強選手として出場。大会初戦で先発を任されたが、この年限りで休部が決定していた強豪、熊谷組打線に捉えられ、1回途中で6失点を喫し降板。チームも初戦敗退となった。

プロフェッショナルキャリア



社会人野球での実績が評価され、1994年のプロ野球ドラフト会議において、千葉ロッテマリーンズから5位指名を受け入団。背番号は「56」を与えられた。

プロ入り後、一軍でのデビューは1996年6月16日、札幌市円山球場で行われたオリックス・ブルーウェーブ戦。8回裏に3番手として救援登板し、2/3回を無失点に抑えたのがプロ初登板となった。プロ入り後初となる奪三振は、1997年4月20日の福岡ダイエーホークス戦（千葉マリンスタジアム）で、8回表に若井基安から奪った。プロ初先発は1998年7月30日の福岡ドームでのダイエー戦で、6回2/3を投げ3失点だったが敗戦投手となっている。

そして、プロ初勝利・初先発勝利は1998年8月15日、大阪ドームでの近鉄バファローズ戦で達成された。この試合では8回を投げ1失点と好投した。

オリックスキラーとして



後藤利幸は、現役時代を通じて特にパシフィック・リーグの強豪、オリックス・ブルーウェーブに対して抜群の相性の良さを見せたことで知られる。その象徴的な出来事が、1998年9月11日にグリーンスタジアム神戸で行われたオリックス戦での投球である。この試合で、後藤は打線を完璧に抑え込み、自身プロ入り初の完投勝利であり、同時に初の完封勝利を達成した。

この勢いは翌1999年にも続き、6月26日のオリックス戦で再び完投勝利を挙げると、さらに7月18日にも完封勝利を達成するなど、度々オリックス打線を封じ込めた。こうした度重なるオリックス戦での好投ぶりから、「オリックスキラー」という異名で呼ばれるようになった。

その「オリックスキラー」ぶりを示す有名なエピソードとして、当時オリックスの主軸であり日本球界のみならず世界でもその名を馳せていた打者、イチローとのやり取りがある。イチローが後藤の投球について「あれぐらいの投手に抑えられるのが一番腹が立ちますよ」と語ったとされる発言は広く知られており、これに対し、当時の千葉ロッテマリーンズ監督だった山本功児氏が記者会見で応酬したことも話題となった。また、2000年5月13日に神戸で行われたオリックス戦では、イチローに対しワンバウンドとなった難しい球を巧みにヒットにされたことも記録に残っている。

キャリア終盤



ファームリーグ（イースタン・リーグ）においては、安定した投球で実績を残しており、2000年にはイースタン・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得している。

プロ入りから8年間、千葉ロッテマリーンズ一筋でプレーを続けたが、2002年シーズン終了後に球団から戦力外通告を受けた。現役続行を目指し、12球団合同トライアウトにも参加したが、プロ野球選手としての新たな契約には至らなかった。

詳細情報



  • - 背番号：56 （1995年 - 2002年）

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