復社

復社（ふくしゃ）について

復社は、中国の明末に存在した文学・政治団体で、その活動は当時の政治や文化に大きな影響を与えました。先代の東林党が弾圧された後、若い学者たちによって天啓年間に形成されたこの団体は、古文の復興を目指し、科挙試験のための八股文の添削を通じて全国的な影響を持つようになりました。復社は内閣の首輔を輩出するなど、政治の舞台でもその力を誇示しました。

歴史的背景

復社の母体は、1624年に蘇州で設立された応社であり、これは張溥や張采ら11人によって設立されました。この時代、文社が江南地方で広がり、弾圧された書院に代わる存在として文化的活動が活発になりました。1652年には清によって復社は禁止されますが、その影響力は明の滅亡後も続き、南明政府や反乱に参加する者たちの中に多くの復社の成員が見られました。

復社の設立と拡大

崇禎元年（1628年）には、魏忠賢とその一派が追放され、東林党が復帰します。しかし、この復興の翌年には宦官側が巻き返しを図り、党争が激化。そこで、呉江知県であった熊開元が触発され、応社からの流れを汲んだ復社を設立することになります。この時期、復社は応社などの他の文社を傘下に抱え、全国的な規模へと発展を遂げました。また、古学の復興を目的として名付けられた復社は、東林党の系譜を引くことを意識しており、「小東林」とも形容されました。

文化活動と影響力

復社は1629年、1630年、1633年に大会を開催し、集まった文を八股文の模範答案集として発表するなど、文芸活動に力を入れました。こうした大会には、流行する文社への訴えかけの意味もあったと考えられています。1630年の郷試では、復社出身者が多くの合格者を出し、さらには1631年の会試でも良好な成績を残し、張溥の名声が広がりました。彼は顧炎武や黄宗羲、侯方域、呉偉業など、多くの有名な学者たちとともに活動し、復社の名を確立させました。

政治活動と運命

崇禎11年（1638年）、復社は反東林党の阮大鋮の復活を阻止し、具体的な政治活動を展開しました。張溥は周延寿を内閣首輔に擁立し、その力を強固にしていきましたが、崇禎14年（1641年）に張溥が亡くなった後、復社に対する弾劾が相次ぎ、周延寿内閣は満州族の侵入や農民反乱に対する有効な対策を打てずに崩壊してしまいます。

明の滅亡後

明が滅亡すると、復社の成員は清の権威を認めず、南明政府への参加や反乱に加わる者が多く存在したことが記録されています。しかし、この過程でも反東林党との確執は続き、特に阮大鋮や馬士英との敵対関係は顕著でした。復社は最終的に順治9年（1652年）に禁止され、その後、顧炎武や黄宗羲らは著作活動に専念しながら清には仕官しませんでした。

20世紀の復社

復社は20世紀にも、特に1930年代末に胡愈之や鄭振鐸などによって再び名を冠する地下出版社として設立されました。彼らは明末の復社に由来し、エドガー・スノーの『中国の赤い星』や、魯迅の全集を出版しました。こうして、復社の名は新たな文の流れの中で再評価されていきました。

復社は、その創立初期から現在に至るまで、時代を超えて文学や文化における重要な役割を果たし、その影響は長い間にわたって忘れ去られることはありませんでした。

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