徳守神社
岡山県津山市宮脇町に鎮座する徳守神社は、かつて津山藩の総鎮守、そして現在は津山市街地の総鎮守として、地域住民から篤い信仰を集めている古社です。
社伝によれば、創建は天平5年（733年）に遡ると伝えられています。当初は現在の津山市小田中の地に鎮座していましたが、天文8年（1539年）に発生した火災により、社殿や宝物などがすべて焼失しました。慶長8年（1603年）、美作国の国守となった森忠政公が津山城の築城を開始するにあたり、翌慶長9年（1604年）に神社を現在地へ遷座させ、津山城下の総鎮守と定めました。現在の社殿は、寛文4年（1664年）に第2代藩主森長継公によって改築されたものです。近代社格制度のもとでは明治5年に県社に列せられました。氏子は津山市の中心部56町内に広がり、作州地方において有数の大社として崇敬されています。「徳守」という社号については、勅使として参向したとされる清閑寺大納言藤原徳守公の名に由来するという説がありますが、その真偽は定かではありません。
主祭神として天照皇大神をお祀りし、その他にも国常立尊、伊弉諾尊、月読尊、誉田別尊、そして石凝姥神（いしこりどめのかみ）の六柱の神々が祀られています。
境内の社殿は、本殿が正面三間、側面三間の中山造り（入母屋造り、妻入型式）で、正面には唐破風の向拝が設けられています。軒回りには精緻な彫刻による装飾が施されており、幣殿（釣殿）や拝殿も本殿と同時期の建築として現存しています。これらの建築群は、近世初期の優れた神社建築として評価され、昭和31年（1956年）に岡山県の指定重要文化財となりました。また、境内正面入口と北門にある鳥居は「中山鳥居」と呼ばれる独特の構造を持っています。
境内には多くの摂末社が鎮座し、様々な神徳を授けています。
徳守神社には、岡山県指定重要文化財である本殿のほか、津山市指定文化財として徳守神社神輿と徳守神社の鉄盾があります。現在の神輿は二代目にあたり、文化6年（1809年）に氏子の総力で新調された金塗神輿です。本体が縦横約1.7メートル、屋根が縦横約2.1メートル、総高約2.8メートル、重さは約1トンと非常に大型で、担ぎ手には交替を含め約170名を必要とします。その大きさと美しさから「日本三大神輿」の一つとも称されますが、その根拠は定かではありません。例祭（10月第4日曜日）での神輿巡幸は、津山まつりの象徴として、多くの市民に親しまれています。この神輿は平成10年（1998年）に津山市有形民俗文化財に指定されました。徳守神社の鉄盾は、大阪の陣で使用されたと伝わる鉄製の盾で、平成26年（2014年）に津山市有形文化財に指定されています。
また、赤穂四十七士の一人である神崎与五郎則休は元津山藩士であり、徳守神社を深く信仰していたと伝えられています。境内には彼の歌碑が建立されています。
徳守神社は、長い歴史の中で地域の信仰の中心として、特に例祭の勇壮な神輿巡幸とともに、現在も津山の文化と歴史を語る上で欠かせない存在となっています。
社伝によれば、創建は天平5年（733年）に遡ると伝えられています。当初は現在の津山市小田中の地に鎮座していましたが、天文8年（1539年）に発生した火災により、社殿や宝物などがすべて焼失しました。慶長8年（1603年）、美作国の国守となった森忠政公が津山城の築城を開始するにあたり、翌慶長9年（1604年）に神社を現在地へ遷座させ、津山城下の総鎮守と定めました。現在の社殿は、寛文4年（1664年）に第2代藩主森長継公によって改築されたものです。近代社格制度のもとでは明治5年に県社に列せられました。氏子は津山市の中心部56町内に広がり、作州地方において有数の大社として崇敬されています。「徳守」という社号については、勅使として参向したとされる清閑寺大納言藤原徳守公の名に由来するという説がありますが、その真偽は定かではありません。
主祭神として天照皇大神をお祀りし、その他にも国常立尊、伊弉諾尊、月読尊、誉田別尊、そして石凝姥神（いしこりどめのかみ）の六柱の神々が祀られています。
境内の社殿は、本殿が正面三間、側面三間の中山造り（入母屋造り、妻入型式）で、正面には唐破風の向拝が設けられています。軒回りには精緻な彫刻による装飾が施されており、幣殿（釣殿）や拝殿も本殿と同時期の建築として現存しています。これらの建築群は、近世初期の優れた神社建築として評価され、昭和31年（1956年）に岡山県の指定重要文化財となりました。また、境内正面入口と北門にある鳥居は「中山鳥居」と呼ばれる独特の構造を持っています。
境内には多くの摂末社が鎮座し、様々な神徳を授けています。
- - 住吉神社: 天文8年の徳守神社焼失の際、唯一再建された建物との伝承があります。現在の地に遷座されたのは慶長9年と伝えられますが、建築様式からは17世紀初期の建築と推測されており、徳守神社本殿と同時期の可能性も指摘されています。「隅木入春日造」という建築様式を持ち、市内でも古い様式をとどめています。開運厄除、武道守護に利益があるとされます。
- - 恵毘須神社・寿福幸神社: 商売繁盛や幸運をもたらす神々です。特に恵毘須神社は沿岸部での信仰が篤いですが、四方を山に囲まれた津山のような内陸に鎮座しているのは珍しいとされます。寿福幸神社は大正4年（1915年）に南新座町内から遷されました。商売繁盛、幸福金運に利益があるとされます。
- - 大国主神社: 出雲大社のご祭神としても知られる大国主命をお祀りしています。縁結び、社運隆昌に利益があるとされます。
- - お花宮（お花善神）: 元勝間田の地にあったと伝わるお宮です。津山藩重臣の屋敷で悲劇的な最期を遂げたお花という娘の怨霊を鎮めるため、神として祀られたことに由来します。現在地への遷座を経て、現在は末社として祀られています。女性の守り神とされ、特に良縁成就や逆境にある婦人に霊験があるとされています。夏祭（7月24日）と秋祭り（10月24日）には祭礼が行われます。
- - 高倉稲荷神社: 元渓花院という寺院にありましたが、嘉永3年（1850年）に遷座。明治32年（1899年）に千歳稲荷が合祀されました。五穀豊穣、商売繁盛、子孫繁栄に利益があるとされます。
- - 鹿島神社・香取神社: 武神として知られ、武士の守り神として崇敬されてきました。武道守護（スポーツ）、厄災消除に利益があるとされます。
- - 春日神社・八幡神社・荒神社: 厄災除け、武運長久、荒魂をお祀りする神々です。災難厄除、交通安全、商売繁盛、身体堅固に利益があるとされます。
- - 薬祖神社・秋葉神社: 薬祖神社は医療の神、秋葉神社は火伏せの神として広く信仰されています。身体健康、病気平癒、防火守護に利益があるとされます。
- - 陰陽二柱神社: 国生み神話に登場する伊邪那岐命・伊邪那美命をお祀りしています。天照皇大神の親神にあたり、夫婦円満、良縁成就、子宝に利益があるとされます。
- - 塞神社: 禍津日神などの侵入を防ぐ境界守護の神です。大正4年（1915年）に南新座町内から遷されました。身体健康、厄災消除に利益があるとされます。
- - 若宮: 子供たちの健やかな成長と健康を見守る子供の守り神です。子供の健康、学業成就に利益があるとされます。
徳守神社には、岡山県指定重要文化財である本殿のほか、津山市指定文化財として徳守神社神輿と徳守神社の鉄盾があります。現在の神輿は二代目にあたり、文化6年（1809年）に氏子の総力で新調された金塗神輿です。本体が縦横約1.7メートル、屋根が縦横約2.1メートル、総高約2.8メートル、重さは約1トンと非常に大型で、担ぎ手には交替を含め約170名を必要とします。その大きさと美しさから「日本三大神輿」の一つとも称されますが、その根拠は定かではありません。例祭（10月第4日曜日）での神輿巡幸は、津山まつりの象徴として、多くの市民に親しまれています。この神輿は平成10年（1998年）に津山市有形民俗文化財に指定されました。徳守神社の鉄盾は、大阪の陣で使用されたと伝わる鉄製の盾で、平成26年（2014年）に津山市有形文化財に指定されています。
また、赤穂四十七士の一人である神崎与五郎則休は元津山藩士であり、徳守神社を深く信仰していたと伝えられています。境内には彼の歌碑が建立されています。
徳守神社は、長い歴史の中で地域の信仰の中心として、特に例祭の勇壮な神輿巡幸とともに、現在も津山の文化と歴史を語る上で欠かせない存在となっています。
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