志布志城

志布志城の歴史と構造

志布志城は、現在の鹿児島県志布志市志布志町に位置していた中世の日本の山城です。この城は、その歴史の中で多くの変遷を経験してきました。

築城と変遷

築城年代は明確ではありませんが、南北朝時代にこの地域が戦乱に巻き込まれたことを背景に、徐々に拡張されていったと考えられています。12世紀以降、救仁院氏、楡井氏、畠山氏、新納氏、肝付氏と、次々に城主が入れ替わりました。守護大名である島津氏久が一時的に本拠としたこともあります。

1577年（天正5年）には、志布志は島津氏の直轄地となり、鎌田政近が初代の地頭として任命されました。その後も外城として重要な役割を果たしましたが、江戸時代初期の一国一城令により廃城となりました。しかし、建物は取り壊されたものの、石垣などの構造物は破壊を免れたと伝えられています。

史跡指定と現在

1993年（平成5年）3月24日、内城跡が鹿児島県指定史跡となり、さらに2005年（平成17年）7月14日には国の史跡に指定されました。また、志布志城主であった新納是久の娘、島津常盤（梅窓院）もこの城にゆかりがあります。

2017年（平成29年）4月6日には、続日本100名城（197番）にも選定され、その歴史的価値が再認識されています。

志布志城の構造

志布志城は、志布志市街地を囲む山全体が城郭の一部と見なせるほど広大な範囲にわたっています。具体的には、志布志小学校の裏山にある「内城」、その西側の山にある「松尾城」、志布志中学校前にある「高城」と「新城」の四つの城を総称して「志布志城」と呼ばれていました。

中でも「内城」は、南北約600メートル、東西約300メートルの広さで、六つの郭から構成されています。各郭の間は空堀で隔てられており、防御に特化した構造が特徴です。

現在の状況

現在、本丸など一部を除いては未整備のため、立ち入りが困難な場所も多く残っています。しかし、本丸など一部の郭には解説版が設置されており、大手口にはパンフレットも用意されているため、訪れる人は城の歴史や構造について学ぶことができます。

まとめ

志布志城は、中世の山城としての歴史を持ち、戦乱の中で多くの城主が入れ替わり、その中で拡張されてきました。島津氏の重要な拠点となり、その歴史を今に伝える貴重な史跡です。続日本100名城にも選ばれたこの城は、歴史ファンだけでなく、多くの人にとって訪れる価値のある場所です。


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外部リンク

* 志布志城跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）

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