鎌田政近

鎌田政近

鎌田政近は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、島津氏の家臣として活躍しました。鎌田氏は島津氏の有力な家臣団の一つであり、政近は庶流の鎌田政勝の子として生まれました。

激動の時代を生き抜いた武将

政近は、天正5年（1577年）に肝付氏平定後、日向国志布志城の地頭となります。翌年には伊東氏が島津氏によって日向国から追われると、その本拠地であった都於郡城に移りました。天正6年（1578年）の耳川の戦いでは、山田有信とともに大友軍を高城で防ぎ、味方の援軍が到着するまで持ちこたえるという武功を挙げました。その後も、沖田畷の戦いや岩屋城攻城戦といった数々の戦に参加し、武将としての才能を遺憾なく発揮しました。

鎌田氏宗家を継承

一方、鎌田氏宗家では、当主の早世や病弱が相次ぎました。そのため、政近は主君である島津義久の命により、政年の孫である鎌田政心、その猶子である政良の後継として宗家に入り当主となりました。豊臣秀吉の九州平定後、天正19年（1591年）には家老に就任し、島津家を支える重臣として活躍しました。

島津家存続の危機を救う

関ヶ原の戦いで島津氏は西軍についたため、改易の危機に瀕します。しかし、慶長7年（1602年）に政近は島津義久・家久（忠恒）の名代として伏見城で徳川家康と会見しました。徳川家康の重臣である本多正信との交渉の結果、薩摩藩島津氏の存続が認められることとなりました。さらに、島津氏が匿っていた宇喜多秀家の引渡し、東軍に奪われた佐土原城の返還などについても合意に達しました。この功績により、政近は慶長9年（1604年）に薩摩国指宿の地頭となり、指宿城を与えられました。

その死と遺産

慶長10年（1605年）9月1日、政近は京都伏見にて病死しました。伏見の泉融寺に葬られましたが、後に招魂され、薩摩国の福昌寺に墓所が建てられました。

鎌田政近は、戦国時代から江戸時代初期という激動の時代を、武将として、そして家臣として、さらに一族の長として、多岐にわたる役割を全うしました。その功績は、島津氏の存続に大きく貢献しただけでなく、後世にも語り継がれることとなりました。

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