忠臣蔵 (1958年の映画)

映画『忠臣蔵』(1958年)について

1958年に公開された映画『忠臣蔵』は、大映創立18周年を記念して製作された時代劇映画です。監督は渡辺邦男が務めました。この作品は、大映のスター俳優が総出演したオールスターキャストで構成されており、当時としては非常に豪華な作品として話題を呼びました。

キャスト

主演の大石内蔵助には、当時大映の看板スターであった長谷川一夫が初めて扮しました。浅野内匠頭には若手二枚目スターの市川雷蔵が配役され、その他にも鶴田浩二、勝新太郎といった豪華な顔ぶれが揃いました。女優陣も京マチ子、山本富士子、木暮実千代、淡島千景、若尾文子といった当時のトップスターが起用され、文字通りオールスターキャストとなっています。また、吉良上野介には民藝の名優である滝沢修が起用されました。滝沢修は、1964年のNHK大河ドラマ『赤穂浪士』で再び長谷川一夫と共演することになります。

作品の特徴

戦後映画化された数々の『忠臣蔵』の中で、本作は特に浪花節的かつ講談調の演出が特徴的で、娯楽性が高い作品として人気を博しました。リアリティよりも虚構の伝説性を重視する傾向がまだ残っていた時代背景もあり、『忠臣蔵』を初めて鑑賞する人にとって、物語の大枠を掴むのに適していると言われています。渡辺邦男監督は「早撮りの名人」として知られており、本作も35日間という短期間で完成させました。また、この作品は1964年12月9日に、大河ドラマ『赤穂浪士』が高い視聴率を記録していた時期にリバイバル公開され、再び話題となりました。

製作の裏側

浅野内匠頭を演じた市川雷蔵は、「内匠頭は阿呆で我儘だと思う」と述べています。そのためか、本作における浅野内匠頭は傍若無人な振る舞いが目立ち、「かわいそう」という印象はあまり感じられません。また、この映画は鶴田浩二と勝新太郎が唯一共演した作品としても知られています。

スタッフ

本作の企画は辻久一と蔭山敏雄が担当し、監督は渡辺邦男が務めました。脚本は渡辺邦男、八尋不二、民門敏雄、松村正温が共同で執筆し、音楽は斎藤一郎が担当しました。製作は永田雅一、撮影は渡辺孝、美術は上里義三、録音は大角正夫、照明は加藤庄之丞と伊藤貞一、編集は宮田味津三、邦楽は中本利生が担当しました。

参考文献

谷川建司『戦後忠臣蔵映画の全貌』集英社クリエイティブ、2013年11月

外部リンク

忠臣蔵 - allcinema
忠臣蔵 - KINENOTE
Chushingura - オールムービー（英語）
Chûshingura - IMDb（英語）
Loyal 47 Ronin - Rotten Tomatoes（英語）

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