怪物くんの登場キャラクター

『怪物くん』の登場人物たち

藤子不二雄Ⓐ氏が生んだ人気漫画『怪物くん』の世界には、個性あふれる様々なキャラクターが多数登場します。この解説では、原作漫画を基本としつつ、アニメやテレビドラマ、映画など、各メディアに登場するキャラクターについても触れていきます。

各キャラクター紹介の冒頭には、アニメ版や実写版での担当声優または俳優名を記載しています。

モノクロ版: 1968年放送のモノクロアニメ
カラー版: 1980年放送のカラーアニメ
CR: パチンコ機『CR怪物くん』シリーズ
実写版: 2010年放送のテレビドラマ及び2011年公開の映画

怪物くんと仲間たち

人間界にある怪物屋敷に住み、物語の中心となる4人です。

怪物くん
声 - モノクロ版：白石冬美、カラー版/CR：野沢雅子
演 - 大野智
本名・怪物太郎。身長99cm、体重28kg。すべての怪物を治める「怪物ランド」の王位継承者である皇太子です。見た目は小柄な人間の少年ですが、手足や体を自由自在に伸縮させ、変身するなど、強力な念力を中心とした様々な超能力を持ちます。彼の最大の武器は、数を五つ数えて放つ念力による大爆発。生まれ持った腕力も強く、念力の応用で腕をたくましく変形させることも可能です。頬にある3本線は彼のヒゲ。常に帽子を被っており、その理由は物語の終盤で明かされます。人間界へは王になるための修行で訪れ、そこで出会った少年・市川ヒロシと親友になります。プライドが高く短気なわがままな性格で、周囲を振り回すこともしばしばですが、情に厚く、友人であるヒロシを深く大切に思っています。好物はお菓子類のあんみつとラーメン。雷が唯一の弱点で、雷鳴を聞くと体がすくんでしまいます。他の藤子作品にもゲスト出演したことがあります。

ドラキュラ
声 - モノクロ版：大竹宏、カラー版/CR：肝付兼太
演 - 八嶋智人
怪物くんの忠実な家来の一人。身長183cm、体重33kg。怪物や魔物に関する学問に精通した博識な人物です。ポーランド出身で、伯爵の爵位を持つ名門貴族。主に怪物くんの教育やしつけを担当しますが、ほとんど聞き入れられません。黒いシルクハットにマント、モーニングコートが普段の服装。潔癖で気取り屋、少し欲深い一面も。吸血鬼ですが吸血は禁止されており、代わりにトマトジュースを愛飲しています。吸血技術を応用し、体内から毒素を吸い出す特殊能力も持ちます。愛用のマントで空を飛ぶことができ、吸血コウモリを下僕として操ります。催眠術も得意。ニンニク、十字架、日光が弱点。人間界では夜に活動し、昼間は棺桶で眠りますが、天候や道具によっては日中も行動可能です。不死身に近く、通常の攻撃では倒せませんが、弱点に対する攻撃は致命的です。一人称は「アタシ」で、「〜ザマス」という独特の言葉遣いをします。

オオカミ男
声 - モノクロ版：兼本新吾、カラー版：神山卓三、CR：緒方賢一
演 - 上島竜兵
怪物くんの家来の一人。年齢は不明ですが、自身を中年と認識しています。身長164cm、体重101kgとやや恰幅が良い体型。普段は坊主頭の人間のような姿ですが、満月や丸いものを見ると全身が狼になり変身します。変身すると狼特有の優れた嗅覚や素早さ、鋭い牙と爪が武器となります。本人は人間の姿が本来の姿だと言いますが、怪物ランドでは常に狼の姿で過ごしています。料理の腕は怪物ランドでも評判で、怪物屋敷の食事を一手に担っています。人間界の飲食店でも通用する腕前ですが、月見うどんなど丸いものを見ると変身してしまうため、仕事にするのは難しいようです。気さくで面倒見の良い性格。好物はうどんとバームクーヘン。一人称は「わし」または「あっし」で、語尾に「〜ガンス」とつけて話します。

フランケン
声 - モノクロ版：今西正男、カラー版：相模太郎/兼本新吾、CR：富田耕生
演 - チェ・ホンマン
怪物くんの家来の一人。身長297cm、体重252kg。フランケンシュタイン博士によって作られた人造人間です。大きな体と強面な顔つきに反して、のんびりとして心優しく、涙もろい性格。頭はあまり良くありませんが、怪力と器用さを活かして屋敷の修繕や荷物持ちなどを担当します。青いコートに縞模様のシャツが特徴。並外れたタフさで、怪物くんのボディーガードも務めます。特に雷をエネルギー源とするため、怪物くんが苦手とする雷系の敵には無類の強さを発揮します。破壊されても電力で修復すれば再生可能な性質を持ちます。「フンガー」（ドイツ語で空腹を意味する）としか話せませんが、怪物同士では言葉が通じます。一時的に人間の言葉を話したエピソードもあります。ロボットではなく生身の生命体として描かれており、飲食や生殖能力、成長・老化の描写もあります。他の藤子作品にも顔を出しています。

市川姉弟

怪物くんたちが人間界で出会い、深く関わることになる人間の姉弟です。

市川 ヒロシ
声 - モノクロ版：松島みのり、カラー版/CR：三輪勝恵
演 - 濱田龍臣
怪物屋敷の近所のアパート「アラマ荘」に姉の歌子と二人で暮らす小学生。弱虫で冴えない面もありますが、温厚で心優しい常識人。ひょんなことから怪物くんたちと知り合い、様々な騒動に巻き込まれることになります。初めて見る怪奇なものには気絶するほど驚きますが、一度慣れるとすぐに打ち解けます。物語の発端となる情報を持ってくることが多いです。

市川 歌子
声 - モノクロ版：向井真理子、カラー版：川島千代子、CR：豊口めぐみ
演 - 川島海荷
ヒロシの姉で18歳。会社勤めをしながら、両親がいないヒロシの面倒をしっかり見ています。明るく思いやりのある性格で、怪物くんたちに対しても優しく接します。面倒見が良く、非常に頼りになる存在ですが、弟以上に怪物に驚くこともしばしばあります。

多様な世界の住人たち

『怪物くん』の世界には、怪物ランド、人間界、宇宙、そして悪魔界など、様々な場所から多くのキャラクターが登場します。その一部を紹介します。

怪物ランドの仲間や家族
怪物大王（声 - モノクロ版：高塔正康 他、演 - 鹿賀丈史）は、怪物くんの父で怪物ランドの絶対的な支配者。威厳と強大な超能力を持ちますが、息子には甘い一面も。怪子ちゃん（声 - 増山江威子 他、演 - ベッキー）は怪物くんのお妃候補である貴族のお嬢様。わがままで世間知らずですが、怒ると髪の毛を操る力を発揮します。ドクター・ノオは怪物専門の医師、グリムばあさんは魔法の達人、郵便屋コンドルは怪物ランドからの便りを運びます。また、ドラキュラたちの腕白な息子たちや、怪物大王の執事を務める爺やなども登場します。

地球怪物、妖怪
怪物ランドに属さない地球上の怪物や、日本の妖怪も描かれます。アマゾンの半魚人、食いしん坊の恐竜ノウルス（ノンビラス）、木人ウドー、ゴリラキングやガブロのような南の島の怪物など、その種類は多岐にわたります。日本の妖怪としては、コワイ山の妖怪大王や三つ目小僧などが登場します。

悪魔たち
怪物族とは長年にわたり敵対する存在、悪魔組織デモーニッシュ。デモキン（声 - 喜多道枝 他、演 - 松岡昌宏）は悪魔ランドの王子で、怪物くんのライバルとなる主要な悪魔。彼の父である悪魔大王デーモンは全ての悪魔を統べる強大な存在です。幹部にはサタン、ミスターシャドウ、アシュランなどがおり、様々な策略で怪物くんたちを苦しめます。テレビドラマでは、デモリーナ（演 - 稲森いずみ）やDr.マリス（演 - 飯田基祐）といったオリジナルキャラクターが重要な役割を担いました。

宇宙からの来訪者
地球や怪物ランドの征服を企む宇宙怪物も多く現れます。ベラボー怪星人ベムは典型的な地球侵略者。宇宙怪物軍総統ビッグ・アイ、手の形をしたビッグ・ハンド、恐竜型のウル・マッスルなど、その姿や能力は様々です。

* その他人間キャラクター
ヒロシのクラスメイトであるアコちゃん、番野、キザオや、彼の通う小学校の先生。地下鉄サブ公のような怪物くん自身にそっくりな少年、怪物を研究する博士たち、そして実写版でおなじみのお巡りさんなど、人間キャラクターも物語に彩りを添えています。

『怪物くん』は、これらの個性的で魅力的なキャラクターたちが織りなす騒動や冒険を通じて、友情や家族愛、正義といったテーマを描いています。彼らの活躍が、時代を超えて多くのファンに愛され続けています。

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