愛にすべてを

「愛にすべてを」（原題：Somebody to Love）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1976年に発表した楽曲です。作詞・作曲はフレディ・マーキュリーが担当し、アルバム『華麗なるレース』に収録されています。この曲は、イギリスではEMIから、アメリカではエレクトラ・レコードからシングルとしてリリースされ、日本ではワーナー・パイオニアから発売されました。

楽曲の特徴

この曲のリードボーカルはフレディ・マーキュリーが務めています。また、特徴的なのは、フレディ、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーによるオーバーダビングを駆使したコーラスワークです。このコーラスは、楽曲に厚みと深みを与え、聴く人を魅了します。

プロモーションビデオ

プロモーションビデオは、1976年9月18日にロンドンのハイド・パークで行われた無料コンサートの演奏シーンと、スタジオでのセッション風景を組み合わせて制作されました。曲の最後には、ジョン・ディーコンを含むメンバー4人がマイクの前で歌う場面がありますが、これは「ボヘミアン・ラプソディ」と同様に口パクであり、ジョンの声は録音されていないとされています。この貴重な映像は、DVD『グレイテスト・ビデオ・ヒッツ 1』などで視聴することができます。

さまざまなメディアでの使用

「愛にすべてを」は、発表以降、様々なメディアで使用されてきました。2006年には、三井不動産レジデンシャルのテレビコマーシャルで、アメリカの歌手ケイレブ・ジェイムスによるカバーバージョンが使用されました。2007年には、映画『Little DJ〜小さな恋の物語』の劇中で使用され、2016年には、ホンダ・リッジラインの米国向けテレビコマーシャルで、羊たちがこの曲を歌うというユニークな演出がありました。このCMは、第50回スーパーボウルの放送中に放映され、話題となりました。2018年には、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の劇中でも使用され、サウンドトラックにも収録されています。

フレディ・マーキュリー追悼コンサートでの演奏

1992年に行われたフレディ・マーキュリー追悼コンサートでは、ジョージ・マイケルとクイーンのメンバーによって「愛にすべてを」が演奏されました。ジョージ・マイケルの圧倒的な歌唱力は大きな評判を呼び、このことがきっかけで、ジョージ・マイケルがボーカルとしてクイーンに加入し、活動を再開するのではないかという噂まで流れました。この時のライブバージョンは、後に『グレイテスト・ヒッツIII 〜フレディー・マーキュリーに捧ぐ〜』に収録されています。さらに、1993年には、「George Michael, Queen, and with Lisa Stansfield」名義で、ミニアルバム「Five Live」がリリースされ、このアルバムの売上金はマーキュリー・フェニックス・トラストのフレディ・マーキュリー基金に寄付されました。

その他の使用例

2004年の映画『アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス』では、アン・ハサウェイがこの曲を歌うシーンがありました。

シングル収録曲

「愛にすべてを」のシングルには、以下の曲が収録されています。

1. 愛にすべてを - Somebody To Love (Mercury)
2. ホワイト・マン - White Man (May)

演奏メンバー

この曲の演奏メンバーは以下の通りです。

フレディ・マーキュリー - リードボーカル、バッキングボーカル、ピアノ
ブライアン・メイ - ギター、バッキングボーカル
ジョン・ディーコン - ベース
ロジャー・テイラー - ドラム、バッキングボーカル

「愛にすべてを」は、クイーンの代表曲の一つとして、多くのファンに愛され続けています。

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