慕容亮 (前燕)

慕容亮（ぼよう りょう）

慕容亮は、五胡十六国時代の前燕に生きた人物で、皇帝慕容儁（ぼよう しゅん）の子として知られています。彼の生涯は、激動の時代を反映したものであり、短いながらも重要な役割を果たしました。

生涯

慕容亮は、前燕の元璽3年（354年）4月に渤海王に封じられました。このことは、彼が皇族の中でも重要な地位にあったことを示しています。その後、鎮東将軍に任じられ、軍事面でも活躍しました。

建熙11年（370年）5月、慕容亮が守る龍城が、前秦の冠軍将軍慕容垂（ぼよう すい）の子である慕容令（ぼよう れい）によって攻撃されるという事件が起こります。この時、慕容亮は事前に慕容令の弟である慕容麟（ぼよう りん）からの知らせを受けており、城門を閉じて防御を固めることができました。しかし、沙城城大の渉圭（しょう けい）が裏切り、慕容令は単騎で逃走、軍は潰滅するという事態に陥ります。渉圭は薛黎沢（せつれいだく）で慕容令を捕らえて殺害し、龍城へその経緯を報告しました。慕容亮は渉圭を殺害し、慕容令の亡骸を手厚く葬りました。

しかし、同年11月、宜都王慕容桓（ぼよう かん）が龍城に到着し、慕容亮は殺害されてしまいます。彼の配下の軍は慕容桓に併合され、慕容亮の短い生涯は幕を閉じました。

家族構成

慕容亮の父は、前燕の皇帝である慕容儁です。慕容儁は、字を宣英（せんえい）といいました。慕容亮には、以下の兄弟がいました。

慕容曄（ぼよう よう）：嫡長子、字は景先（けいせん）
慕容臧（ぼよう ぞう）：庶長子
慕容暐（ぼよう い）：嫡次子で三男、字は景茂（けいも）
慕容温（ぼよう おん）
慕容渉（ぼよう しょう）
慕容泓（ぼよう こう）
慕容沖（ぼよう ちゅう）

また、姉妹には、苻堅（ふ けん）にとついだ清河公主（せいかこうしゅ）がいました。

参考文献

『資治通鑑』巻99、巻102
* 『十六国春秋』巻27、巻29

慕容亮の生涯は、前燕という国家の興亡と深く関わっており、彼の死は、その後の歴史に大きな影響を与えました。彼の足跡をたどることは、五胡十六国時代の理解を深める上で重要な意味を持っています。

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