秋元礼朝

秋元礼朝（あきもと ひろとも）は、江戸時代末期、激動の幕末に生きた大名であり、上野館林藩の第2代、そして最後の藩主です。館林藩秋元家としては11代目に当たります。

嘉永元年（1848年）5月16日、彼は遠江掛川藩の第5代藩主・太田資始の五男としてこの世に生を受けました。その後、安政6年（1859年）に館林藩主・秋元志朝の養子となります。元治元年（1864年）10月、養父が禁門の変の責を負い幕府から隠居を命じられたため、家督を継承し、若くして藩主の座に就きました。

慶応2年（1866年）には、幕府から奏者番に任じられ、多忙な日々を送ります。しかし、慶応4年（1868年）に戊辰戦争が勃発すると、彼は重要な決断を迫られます。秋元礼朝は、飛び地領である河内から新政府軍へ兵を派遣し、さらに軍資金として2万両を提供することで、新政府軍に協力することを決意しました。この決断は、彼の領地と家名を守る上で重要な意味を持ちました。

明治2年（1869年）、戊辰戦争における協力が評価され、秋元礼朝は新政府から賞典禄1万石を加増されました。同年、版籍奉還により館林藩知事に任命されますが、明治4年（1871年）7月、廃藩置県が断行されたことで藩知事を免官となり、時代の流れには逆らえませんでした。同年9月には隠居し、養子の秋元興朝に家督を譲り、第一線から退きました。

明治16年（1883年）6月13日、秋元礼朝は36歳という若さでこの世を去りました。しかし、彼が戊辰戦争で下した決断と、その後の領民への貢献は忘れられることなく、大正4年（1915年）には正四位が追贈され、その功績が改めて称えられました。

系譜
実父: 太田資始
実母: 良 ー 上杉斉定の六女あるいは側室
義父: 秋元志朝
正室: 操 ー 戸田忠温の十一女
* 養子: 秋元興朝 ー 戸田忠至の次男

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