拓跋雲

拓跋雲（たくばつ うん）

拓跋雲（447年 - 481年）は、北魏の皇族であり、任城康王の名で知られています。彼は、北魏の歴史において重要な役割を果たしました。

生涯

拓跋雲は、拓跋晃と孟椒房の間に生まれました。451年に父が亡くなると、幼いながらもその死を深く悲しみ、祖父である太武帝を感動させました。464年、彼は任城王に封じられ、使持節・侍中・征東大将軍・和龍鎮都大将といった要職を歴任しました。

献文帝の時代には、都督中外諸軍事・中都大官に任じられ、民衆からの訴えに耳を傾け、公平な判断を下したことで、高い評価を得ました。470年には、柔然の侵攻に対し、魏軍を率いて東道へ進軍しました。

471年、献文帝が京兆王拓跋子推への帝位譲位を示唆した際、拓跋雲は源賀や東陽公拓跋丕と共にこれに反対し、最終的に献文帝は皇太子である拓跋宏（孝文帝）に帝位を譲る決断をしました。この出来事は、北魏の皇位継承において重要な転換点となりました。

472年、再び柔然が北魏に侵攻すると、拓跋雲は太上皇帝（献文帝）に従い、中軍大都督として出征しました。473年には、仇池が北魏に反乱を起こした際、征西大将軍として鎮圧に当たりました。その後、都督徐兗二州縁淮諸軍事・征東大将軍・開府・徐州刺史に任じられましたが、太妃の死去により辞任を願い出ました。しかし、太上皇帝に慰留され、悲しみのあまり病に倒れ、ようやく辞任が認められました。服喪後、再び侍中・中都大官に任じられ、冀州刺史としても活躍しました。晩年には、使持節・都督陝西諸軍事・征南大将軍・長安鎮都大将・雍州刺史に転じました。

481年4月、拓跋雲は雍州で亡くなり、諡として康を贈られました。彼の遺体は、雲中の金陵に埋葬されました。

家族

妻：孟氏（任城国太妃）
男子：
元澄（後継、任城王）
元嵩
元瞻
女子：元純陀（五女、邢巒の妻）

伝記資料

『魏書』巻19中 列伝第7中
『北史』巻18 列伝第6
『魏書』巻103 列伝第91
『北史』巻98 列伝第86

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