敬懐皇后

敬懐皇后（けいかいこうごう）は、生没年不詳の三国時代の呉の孫権の夫人（側室）です。荊州南陽郡の出身で、姓は王。王夫人と呼ばれていました。呉の第3代皇帝である孫休（そんきゅう）の生母であり、孫和（そんわ）の母である王夫人（大懿皇后）とは別人です。

生涯

選抜を経て孫権の後宮に入りました。嘉禾4年（235年）に孫休を出産しています。

赤烏5年（242年）、孫和が皇太子に立てられると、その生母が重んじられるようになりました。しかし、皇太子争いに巻き込まれた王夫人は、宮中を退出して公安に移住することを余儀なくされました。その後、公安で生涯を終え、棺も公安に埋葬されました。

永安元年（258年）、孫休が皇帝に即位すると、使者を公安に派遣し、王氏に敬懐皇后の諡号（しごう）を贈り、皇后として追尊しました。そして、王氏の墓を敬陵として改葬しました。王氏の家には跡継ぎがいなかったため、異父弟である文雍（ぶんよう）が亭侯（ていこう）に封じられました。

三国志演義

小説『三国志演義』には、敬懐皇后は登場しません。

参考文献

* 『正史三国志6 呉書Ⅰ』 陳寿、裴松之注、小南一郎訳、ちくま学芸文庫

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