宋明理学

宋明理学の概要

宋明理学では、宋代から明代にかけて発展した思想を指し、特に朱子学と陽明学がその中心的な存在です。この時期の儒学は、単に「理学」とも称され、学問の核心テーマとして「理」が位置づけられました。その影響は、中国の思想史において非常に重要なものとなっています。また、英語では「Neo-Confucianism」と訳され、現代の新儒家とは異なる概念として扱われています。

起源と背景

宋明理学の起源は中唐の思想家、韓愈や柳宗元に遡ることができます。彼らはそれまでの経典解釈学的な儒学を批判し、人間の道徳性や、天と人を貫く理（道理）を追求することを重視しました。そのため、学問の定義も変わり、文学の古文復興運動と関連して、文章は華美な修辞ではなく、真理を表現する手段とされました。

流派の発展

宋代にはさまざまな流派が台頭しましたが、程顥と程頤を祖とする道学が主流となりました。彼らは「天理人欲」や「理一分殊」、さらには「性即理」などの概念を発表しました。この道学の流れを受け継いで、特に南宋の朱熹がその学問体系を巨大化させました。朱熹の朱子学は多くの後世の思想に影響を及ぼし、理気二元論を唱えました。これにより、性理学と呼ばれる学問分野が確立しました。

一方、同時代の陸九淵や明代の王守仁（王陽明）のグループは、「心即理」を説き、心学と名付けられたこの流派は明代中期に特に隆盛しました。理気論も、宋代では理気二元論が主流でしたが、明代には気一元論へと変遷しました。

主要学派の紹介

朱熹以前の主要な学派には、宋初三先生（理学三先生）、荊公新学の王安石、洛学の程顥・程頤、蜀学の蘇軾・蘇轍、関学の張載などが存在しました。

朱熹以後の学派としては、朱子学（性理学派）や心学（陸王心学）、象山学派の陸九淵、陽明学派の王守仁、泰州学派の王艮、事功の学、永嘉学派の葉適、移行した金華学派の呂祖謙などが挙げられます。それぞれの流派は異なる思想的アプローチを持ち、労力や功利性を学問の中核に据えるものもありました。

まとめ

宋明理学は、儒学の歴史においても非常に重要な位置を占め、新しい哲学的アプローチを確立しました。理を強調するこの流派の考え方は、現代の倫理観や道徳観にも多大な影響を与え続けています。これにより、宋明理学は中国思想の中でも特異な地位を持ち、その後の哲学や社会の発展に大きな影響をもたらしました。

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